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キユーピー、噛むことの大切さを啓発 サラダが持つ新たな価値の発見に取り組む

 キユーピー㈱(東京都渋谷区、髙宮満社長)はこのほど、野菜を噛むことが、食後の糖代謝を促す可能性が示されたと発表した。
 同社では、早稲田大学の宮下政司教授と研究助手の亀本佳世子氏と共同で、“噛むことの大切さ”の啓発と研究に2021年から取り組んでいる。今回、野菜(キャベツ)を「咀嚼して食べるとき」と「咀嚼せずに食べるとき」の食後における代謝への影響を調べた。同研究成果について、10月1日・2日に開催された「日本咀嚼学会 第33回学術大会」で発表を行った。さらに、17日から、同発表内容のオンデマンド配信が始まった。視聴は31日まで。

 昨今、固い食べ物が敬遠され、やわらかい食品が好まれる傾向にあり、意識して「噛む」ことが求められている。同社では、サラダには、歯応えのある生野菜を使うことが多く、「野菜を噛んで食べる」という良さがあるとして、野菜を噛んで食べることの健康への影響を調べることで、サラダが持つ新たな価値の発見に取り組んだ。

 試験は19人の健康な成人男性を被験者として、「咀嚼条件」(千切りキャベツ+ゼリー飲料)と「非咀嚼条件」(キャベツ粉砕物+ゼリー飲料)に分けて行った。食べ始めを0分として、0分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分後に、それぞれの条件で採血を行い、「血糖」と血糖値変動メカニズムの指標として「インスリン」、「インクレチン(GIP、GLP-1)」の血中濃度を調べた。
 その結果、食後90分までの経時変化を比較すると、インスリンとインクレチンが、咀嚼により高値を示すことが確認された。一方、血糖では明らかな差は確認されなかった。

 野菜を「噛む」ことで、インスリンとインクレチンが食後90分までに増加したということは、食事をする際に、最初に野菜を噛んで食べると、“食事を受け入れる態勢が整う”ことを意味すると考えられ、「野菜から食べる」ことの重要性を裏付けることにもつながるという。「食べ方」の1つである「咀嚼」は、インスリンの分泌を促進させる効果が期待されるとしている。

 キユーピーグループは、2030年にどうありたいかをまとめた「キユーピーグループ 2030ビジョン」を策定している。その1つに、「サラダとタマゴのリーディングカンパニー」を掲げ、健康的な食文化の創造に貢献していくことを明文化している。今後も、さまざまな研究を通じて、人々の食生活が豊かになる手伝いを続けていくとしている。

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