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アサヒグループ、酵母エキスの生産拡大 アサヒビールと協働、酵母の培養も国内で

 アサヒグループ食品㈱(東京都墨田区、川原浩社長)が、健康食品などの原材料に使われる酵母エキスの生産量を大きく増やす。今月から、酵母エキス向け酵母の国内での培養を開始し、2年後の2026年までに、国内での酵母エキスの製造可能量を、従来比1.5倍の約5,700トンに引き上げる計画だ。これにより、原材料供給の安定化を図ると共に、将来予想されるたんぱく質不足などに貢献したい考え。25日に発表した。

設備投資額、25年までに44億円

 酵母の培養は、グループのアサヒビール㈱が保有する㈱茨城工場に委託。その上でアサヒグループ食品の栃木小金井工場で酵母エキスを製造する。グループ内での国内一貫製造を進めることになる。これまでは、アサヒビールのビール製造工程で発生するビール酵母を利用したり、海外メーカーに酵母の培養を委託し輸入したりしてきたが、技術開発を行い、同茨城工場のビール醸造用タンクを活用して酵母エキス向けの酵母を培養できるようにした。

 設備投資額は、25年までに44億円を見込む。22年から25年までにアサヒグループ食品で25億円、加えてアサヒビールは24年までの総額で19億円を投じる計画だ。

 酵母エキスの生産量を増やす目的について、アサヒグループ食品は発表で、「近年の世界的なプラントベースフード需要の高まりや、加工食品の需要の高まりから伸長する酵母エキス市場において原料供給を安定させるとともに、将来の世界的な人口増による食糧危機や、ベジタリアンやヴィーガンなど生活者の新たなライフスタイルの選択肢の広がりへの貢献を目指す」と説明した。

代替たんぱく質としての活用も視野

 同社によると、酵母エキスの製造過程で得られる副産物の酵母細胞壁には、食物繊維やたんぱく質が多く含まれる、という。そのため、「将来予想されるたんぱく質不足に対して様々な活用法が見込まれるアップサイクル素材」だと同社。「自社の健康食品に使用すると共に、今後さらなる高付加価値の活用を検討していく」としている。

 アサヒグループでは、副産物のビール酵母を有効活用し、『エビオス』に代表される医薬品をはじめ、健康食品を開発してきた。アサヒグループ食品では、ビール酵母から有効成分を抽出したエキスを粉末やペーストなどに加工し、国内外で原材料販売を展開。用途は、食品や健康食品からバイオ、化粧品、ペットフードなどまで幅広いという。

(冒頭の写真:酵母エキスを製造するアサヒグループ食品・栃木小金井工場。下の写真:アサヒビール・茨城工場の酵母培養タンク。いずれもアサヒグループ食品の報道発表資料から)

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