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かっこ・岩井社長インタビュー 
深刻化する不正注文 対策の優先順位の低さを懸念

かっこ㈱は、ビジネスの最適化や課題解決への指標の発見、EC・金融における不正検知や決済コンサルティングまで、データサイエンスから得られた結果を基に次の行動に移せる価値を提供する。ECのクレジットカード不正被害の現状と不正利用対策、事業者の対応状況について話を聞いた。

クレジットカード情報が悪用 過去最悪のペースで増加

ーーーー通販業界が直面する不正注文の実態についてご説明お願いします。


岩井 「クレジットカード不正使用被害実態調査」(日本クレジット協会)によりますと、2021年の第4四半期はまだ発表されておりませんが、第3四半期の時点で20年を上回っており、21年は96億円と過去最悪になるのは間違いありません。背景には、EC市場が拡大し、悪さをする人も多く集まってきているということだと思います。事業者だけでなく、利用者数の増加も一因です。フィッシングなどによるカード情報が流出し、ダークウェブで売買される、そこで購入された情報を基に不正購入されるという構図です。フリマアプリやオークションサイトの普及で、CtoCの売買が増え転売がやりやすくなったことも要因だと思います。

ーーーーEC事業者の対策は進んでいるのでしょうか?


岩井 私たちが行った、全国のEC事業者担当者に対する調査によると、クレジットカード不正対策の義務化の認知度は74.2%でした。一方で、実際に「対策をしている」は50.9%に留まりました。その理由として、「被害が少ない」ことが33.3%と最も多く、続いて「優先順位が低い」が29.2%、「どんな対策が良いか不明」が27.8%となりました。また、「コストが高い」、「被害が出ないと対策への優先度が上がらない」として、まだ対策をとっていない企業が多い実態も明らかになりました。まずは売上アップ、新規顧客獲得に注力する事業者が多く、不正対策に関しては手薄になりやすいというのが現状です。特に新規参入事業者や不正注文に直面していない事業者にとっては、不正注文対策が二の次となっているようです。

転売目的の不正購入が深刻化 健康食品・化粧品通販は好都合

ーーーークレジットカード不正以外の不正注文について説明してください。


岩井 転売目的の不正購入が相変わらず多発しています。特に、健康食品や化粧品などは「初回無料」、「初回半額」というオファーを出しますので、不正購入者からするとターゲットにしやすい商材です。本来であれば1人1回、1家族1回のはずですが、空室を使ったものや、内見物件などが不正受取場所として使われることも増えています。そのほか、飲食店の電話番号を悪用したものも増えています。住所の記載方法を微妙に変えて購入者情報をずらしてブラックリストをかいくぐるものなども、相変わらず多発しています。

――不正購入の対策と課題とは何でしょうか?
岩井 一般的な対策方法としては、目視による注文内容の確認があります。しかし、属人的な業務になりますし、顧客数が少ないうちは対応できますが、多くなってくると1件1件確認するのは限界があります。また、不正の手口は日々進化していますので、そうした最新手口に対応するのも難しいのが現状です。売上規模に関係なく不正対策は必須だと思いますので、未対応の事業者は後回しにせず即座に対応していただきたいと思いますし、すでに不正対策を導入している事業者も、被害がなかったから対策をやめる、対策を古いまま見直さないというのもリスクがあります。安全に事業を行うため、利用する消費者を守るためにも、保険同様に定期的な見直し、メンテナンスが必要です。当社では、サービスの提供はもちろんですが、不正注文の状況や最新の手口など、定期的に情報発信を行い、市場の健全な発展に貢献していきます。

――ありがとうございました。

【聞き手・文:藤田 勇一】

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所在地:東京都港区元赤坂1-5-31 新井ビル4F(本社)
TEL:03-6447-4534 
FAX:03-6447-4539
URL:https://cacco.co.jp
事業内容:SaaS型アルゴリズム提供事業(不正検知サービス、マーケティングサービス、決済コンサルティングサービス、データサイエンスサービス)

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