サプリの定義が2つ、整合どう図る? 【機能性表示食品とサプリメント食品】その他加工食品も当たり得るか
錠剤、カプセル剤、粉末剤など、医薬品的な形状を持つ加工食品であるサプリメントを食品衛生法制上で定義付け、安全性確保の観点から規制する段取りが整いつつある。
厚生労働省とともに規制の在り方を検討している消費者庁の食品衛生基準審査課は先月26日、同課が事務局を務める食品衛生基準審議会新開発食品調査部会に対し、サプリメントの法令上の名称を「サプリメント食品」とする案を提示。そのうえで、食品衛生法の第13条に基づく告示(規格基準告示)にサプリメント食品の定義を置くとともに、その製造についてはGMP(適正製造規範)の遵守を義務付けることを規定する案を示した。これらの案に対し、部会委員から大きな異論は出ず、そのまま取りまとめとなった(10月27日付、11月2日付 でそれぞれ既報)。
すでに固められているサプリメント食品の定義(イメージ)は、「通常の食事による栄養摂取又は通常の食事による生理機能の調節を補助することが目的とされる食品であって、当該食品に含まれる成分の一部又は全部が製造工程において濃縮されたもの、錠剤、カプセル剤、液剤、粉末剤等の摂取の容易な形状であるものその他過剰摂取のおそれのあるもの」とされている。
一方で、サプリメントに相当する加工食品の法的な定義はすでにある。食品表示法を法的根拠とする機能性表示食品のうち、「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」(サプリ形状食品)の定義だ。同法の規定に基づく食品表示基準(内閣府令)でこう規定されている。
「天然物、若しくは天然由来の抽出物を用いて分画、精製、濃縮、乾燥、化学的反応等により本来天然に存在するものと成分割合が異なっているもの又は化学的合成品(以下『天然抽出物等』という。)を原材料とする錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の加工食品」
それぞれの定義の構造を見ると、機能性表示食品のサプリ形状食品の定義は、原材料要件に加えて形状要件で成り立っている。それに対してサプリメント食品の定義は、目的要件を前提としつつ、過剰摂取要件として①濃縮、②摂取の容易な形状、③その他の過剰摂取のおそれ──のいずれかに該当するものという構造だ。
こうして並べてみると、過剰摂取要件のいずれか1つを満たせば足りる点、また原材料要件が必ずしも明確ではない点、さらに「その他の過剰摂取のおそれ」という包括的要件が規定される点で、対象範囲が広いのはサプリメント食品の定義だと言える。
そのうえで、サプリメント食品の定義は、機能性表示食品や栄養機能食品などの保健機能食品から、それ以外の健康食品までを包括する「いわゆる健康食品」全体にかかることになる。そうすると、機能性表示食品としてサプリ形状食品以外の「その他加工食品」の区分で届け出られた製品であっても、サプリメント食品の定義に合致すればサプリメント食品に当たり得る。だとすれば、サプリ形状食品として届出をやり直す必要があるのかどうか──。
ややこしい話になってきた。両定義は根拠法令が異なる。サプリメント食品に当たるかどうかは食品衛生法令上の判断であり、食品表示法令上の機能性表示食品の食品区分を自動的に変え得るとは考えられない。そもそも、機能性表示食品のサプリ形状食品に該当するかどうかは、消費者庁が示した考え方などを踏まえた合理的な理由があることを前提に、事業者の判断に任されている。そのように事業者の判断に委ねられた区分とは別に、法的拘束力を持つ食品衛生法令上の定義が示されることになる。
消費者庁の食品衛生基準審査課は今後、サプリメント食品の該当性判断に関する考え方や個別具体例などを示す事務連絡(Q&A)等を作成し、公表することにしている。それを踏まえ、機能性表示食品制度を所管する同庁の食品表示課は、2つの「サプリ」の定義を整合させる方向で食品表示基準を見直すのか、それとも、サプリ形状食品の定義をとどめおくのか。とどめおいたとしても、サプリメント食品の定義とどう整合を図るのか。GMP遵守要件の対象範囲にもかかわる論点になりそうだ。
【石川太郎】
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