化粧品規制会議、20周年宣言を採択 電子ラベル原則承認、J-Beauty戦略とも歩調
厚生労働省はこのほど、7日~9日にかけて東京都内で開催した第20回化粧品規制協力国際会議(ICCR)の結果を公表した。
会議では、ICCR設立20周年を記念する「ICCR20周年宣言(東京宣言)」を採択したほか、電子ラベル(E-ラベリング)に関する一般原則を承認した。
ICCRは、日本、米国、欧州連合などの化粧品規制当局で構成される国際会議で、国際貿易の障壁を最小化しながら、高い水準の世界的な消費者保護を維持することを目的としている。
今回の会議では4つの共同作業部会(JWG)の進捗が報告された。
安全性評価JWGでは、皮膚感作試験における新しいアプローチ方法論(NAMs)を活用したケーススタディを報告。次回会合に向け、より広範なリスク評価手法に着目した検討を継続する。
電子ラベルJWGでは、「化粧品製品の電子ラベリングおよびデジタル情報提供に関する一般原則」を承認した。今後は同原則の実装に向けた推奨事項の作成準備を進める。
消費者コミュニケーションJWGでは、前回会議で作成した消費者向けカルーセルに続き、新たに2件のカルーセル案を承認した。
20周年宣言JWGでは、「ICCR20周年宣言(東京宣言)」を採択した。同宣言では、ICCRの目的と使命を改めて確認するとともに、これまでに作成した38件の成果物を踏まえ、今後の戦略的重要事項として、①科学に基づく最高水準の消費者保護、②国際的な規制協力による貿易障壁の最小化、③ステークホルダーとのコミュニケーション強化――の3本柱を掲げた。
今後は、NAMsや次世代リスク評価(NGRA)など最新科学の導入、各国の技術要件の整合、新興課題への対応、規制当局間のベストプラクティス共有を進めるほか、デジタルツールを活用した情報発信や透明性向上にも取り組むとしている。
産業政策と規制政策が連動
今回のICCRで示された方向性は、経済産業省が6月に公表した「化粧品産業競争力強化検討会」の中間報告とも軌を一にする。
同報告では、2033年度までに化粧品の海外売上を2兆円規模へ拡大する目標を掲げ、「J-Beauty」のブランド化や海外重点市場の設定、国際整合性を踏まえた国内規制の見直し、海外規制情報の統合データベース構築などを提言した。
経済産業省の検討会が化粧品産業の競争力強化や輸出拡大を目的とした産業政策を担う一方、ICCRは厚生労働省が日本の規制当局として参加し、各国との規制協調や消費者保護を進める枠組みである。両者は所管や役割は異なるものの、国際的な規制の整合性を図りながら、日本の化粧品産業の海外展開を後押しするという方向性を共有している。
なお、今回の会議では英国の新規加盟が承認された。次回会合(ICCR-21)はイスラエルが議長国となり、2027年7月にテルアビブで開催される予定である。

上の図:「日本の化粧品海外戦略を支える2つの枠組み」
【田代 宏】
発表資料はこちら(厚労省HPより)

