1. HOME
  2. 通販
  3. 通信販売の利用経験率が8割に到達 「全国通信販売利用実態調査」(JADMA)から見える課題と市場の今後

通信販売の利用経験率が8割に到達 「全国通信販売利用実態調査」(JADMA)から見える課題と市場の今後

 (公社)日本通信販売協会(JADMA)がまとめた「第33回全国通信販売利用実態調査報告書」により、消費者の通信販売利用における最新の動向が明らかになった。本調査は全国の15歳~79歳の男女1,200人を対象に、2025年の通信販売利用実態を調査したもの。調査結果からは、デジタルデバイスを起点とした通信販売の日常化と、それに伴う利便性追求、そして新たな不安や課題との向き合い方が浮き彫りとなっている。

 25年の通信販売利用経験率は80.4%に達し、前年の75.8%から4.6ポイント増加した。個人購入の割合は、54.3%(23年)、60.8%(24年)、67.3%(25年)と右肩上がりで推移しており、通信販売は「たまに利用するもの」から「生活に不可欠なインフラ」へとさらに定着している。中でも女性30~40代は個人購入計が8割を超えており、他の年代よりも高い。

 また、通信販売利用者における年間利用回数は平均11.6回となった。男女40代が15.3~16.2回で全体平均より高く、30代は18.9回で最も回数が多かった。年間利用金額では平均値が7.3万円で、前年の7.2万円からやや増加。特に男性30代(10.5万円)、40代(9.7万円)、女性40代(8.4万円)は年間利用額が高い傾向にあることが分かった。

 今後「利用する予定がある」と回答した層も過半数の53.1%に達しており、特に女性の30代・40代では7割強が利用意向を示している。今後利用頻度が「増える」と予測する層も26.1%存在しており、市場のさらなる拡大傾向がうかがえる。中でも男性50代は「増える」が25.9%と高く、商品開発・販売戦略においてにヒントになりそうだ。

スマホが起点、SNSが購買行動の要に

 広告から購入申込まで、一貫して「携帯電話・スマートフォン」を起点とする動きが定着している。昨年1年間に購入時に見た広告は「携帯電話などによるインターネット」が75.7%を占め、前年からさらに伸長した。特に男女40代以下では85%以上がスマホ広告を起点としている。女性70代は「新聞広告・折込チラシ」(30.3%)、女性60代は「国内カタログ」(16.7%)などの紙媒体の広告も一定数参考にしている。

 商品カテゴリー別で見ると、健康食品は全体で13.4%、前年の18%から減少した。年齢別では男性は10代が6.3%、20代が9.3%、30代が8.8%、40代が11.9%、50代が15.3%、60代が18.8%、70代が11.1%だった。女性は10代が4.5%、20代が3.8%、30代が11.9%、40代が10.9%、50代が13.7%、60代が27.8%、70代が16.9%だった。なお、化粧品・香水は全体で29.2%と前年の28.4%、23年の25.2%から上昇が続く。中でも40代女性が53.3%、30代女性が50.7%と同カテゴリーをけん引している。

 また、インターネット上の広告に触れた消費者が参考にしている情報源については、「検索結果(Google、Yahoo!など)」が45.1%、「公式サイトの商品情報」が41.8%で二大勢力となっている。特徴的などがSNSの活用で、Instagram(27.3%)やYouTubeなどの動画(23.1%)が続く。特にInstagramは、女性20代・30代において約6割が参考にすると回答しており、SNSが購買行動における重要な情報収集源となっていることが鮮明となった。

「時間効率」を重視、一方で残る「現物への不安」

 また報告書では、消費者が通信販売を選択する最大の動機は「時間効率」にあると分析。最も大きな理由として「買い物に行く時間を節約できるから」を挙げた人が17.1%で最多となり、特に女性30代では32.8%が時間効率を重視している。また、「価格への納得感」も依然として強力な購入理由となっている。
 その一方で、通信販売の最大の短所として68.2%が「実際に商品を見て購入できない」点を挙げた。この「現物の確認ができない」という懸念は、モール型ECサイトやフリマサイト利用時の「偽物への不安」や「店舗の信頼性」といった課題とも密接に結び付いている。

「置き配」など非対面受取へのシフトが鮮明

 商品の受け取り方法にも変化が見られる。現在、対面受取が91.4%と依然として多いものの、「今後利用したい方法」としては変化が見られる。
 「対面/自宅」は年々減少傾向にあり、2023年と比較すると8.0ポイント低下した。代わって「非対面/その他(置き配など)」や「非対面/個人用宅配ボックス」を希望する層が増加しており、配送の効率化と個人のライフスタイルに合わせた受け取りニーズの多様化が進行している。

 通信販売が生活のインフラとして深く浸透した今、消費者は利便性の恩恵を受けつつも、情報の信頼性や配送の柔軟性に対してよりシビアな視線を向けるようになっている。激化する競争で勝ち抜いていくため、事業者には、SNSを通じたリアルな情報提供や、消費者の多様なライフスタイルに寄り添った配送ソリューションの拡充など、顧客体験を総合的にアップデートする対応が求められる。


 (藤田 勇一)

関連資料:第33回 全国通信販売利用実態調査報書(JADMAホームページへ)

関連記事:転換期に立つ健食・化粧品通販 「獲得」から「信頼」の時代へ。AI活用と不正対策でLTV最大化へ

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ