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第5次食育推進基本計画を決定 「農林漁業教育」と「大人の食育」を重点化

 農林水産省は24日、第9回食育推進会議を開催し、令和8年度から5年間を計画期間とする「第5次食育推進基本計画」を決定した。改正食育基本法の基本理念や施策を具体化するもので、「農林漁業教育」や「大人の食育」を重点事項として位置付け、食育を国民運動として展開する方針を打ち出した。

 食育推進基本計画は、食育基本法第16条に基づき、おおむね5年ごとに策定されるもの。今回の計画は、5月27日に公布・施行された改正食育基本法を踏まえて作成された。
 計画では、重点事項として①学校等での食や農に関する学びの充実、②健全な食生活の実現に向けた「大人の食育」の推進、③国民の食卓と生産現場の距離を縮める取組の拡大――の3点を掲げた。

 目標については、国民1人ひとりが実践する「個人目標」と、地域等が主体となって取り組む「地域目標」に整理した。個人目標には、朝食欠食の改善や共食の推進、栄養バランスに配慮した食生活の実践、農林漁業体験の推進、生産現場を意識した食品選択などを設定。地域目標には、学校給食における地場産物活用や食育ボランティアの拡大、伝統的な食文化の継承、市町村食育推進計画の策定促進などを盛り込んだ。
 また、改正法で導入されたPDCAサイクルの考え方を踏まえ、目標の達成状況を定期的に把握し、施策の改善や見直しにつなげる方針も示した。

「農林漁業教育」を新たな柱に

 計画では、学校等での食育の充実に向け、「農林漁業教育」を重点的に推進する。
 農林漁業教育は、食を支える農林漁業や関連産業への理解と関心を深めるための教育として位置付けられた。学校給食における地場産物の活用や農林漁業体験、地域人材の活用などを通じて、生産現場への理解を深めることを目指す。
 背景には、朝食欠食の増加など子どもの食生活の乱れに加え、生産現場との距離が広がり、食料生産への理解が薄れているとの認識がある。

若い世代を意識した「大人の食育」

 重点事項の1つである「大人の食育」では、特に若い世代の栄養バランスの偏りや食習慣の乱れへの対応を重視した。
 官民連携食育プラットフォームの活用や大学生等への学びの機会提供、健康寿命の延伸につながる取組などを推進する。主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の実践や減塩、野菜・果物摂取量の改善なども目標に掲げた。
 さらに、環境に配慮した農林水産物・食品の選択や食品ロス削減行動など、持続可能な食料システムを意識した行動変容も促す方針である。

パブコメには144件の意見

 計画策定に先立ち実施されたパブリックコメントには、144件の意見が寄せられた。
 意見では、食料安全保障や持続可能な生産・消費との関係性を明確にすべきとの指摘や、農林漁業教育の充実を求める声があった。また、学校給食における地場産物や有機農産物の活用、食育の評価指標の在り方、「大人の食育」の重要性などに関する意見も寄せられた。
 これに対し農水省は、食育の推進を通じて生産現場への理解や行動変容を促すことが重要であると説明。農林漁業教育や大人の食育の推進、PDCAサイクルによる評価・見直しなどを計画に位置付けているとした。
 
【田代 宏】

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