変わるユーグレナ食品市場の構図 神鋼環境、EOD-1株の藻類食品事業をユーグレナ社に譲渡へ
㈱神鋼環境ソリューション(兵庫県神戸市)が藻類食品事業から撤退する。機能性成分であるパラミロンを豊富に含む微細藻類ユーグレナグラシリスEOD-1株を開発し、100%子会社の㈱ミカレア(同)を通じて原料粉末販売や、それを配合した機能性表示食品等の開発・販売などの事業を展開してきたが、業界内からは競合関係と見られてきた㈱ユーグレナ(東京都港区)に事業譲渡する。譲渡完了日は2026年5月上旬の予定だと、神鋼環境とミカレアが24日、それぞれ発表した。
ユーグレナも同日発表を行い、神鋼環境からEOD-1株関連事業を譲り受けることで「免疫を中核とした機能性素材展開を本格的に加速させる」などとした。譲渡金額は非開示。
ミカレアは昨年1月、ユーグレナグラシリスEOD-1株由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)を機能性関与成分とする機能性表示食品について、免疫細胞(単球、ナイーブT細胞)の働きを助け、健康な中高年の方の免疫機能の維持に役立つ機能がある旨の、微細藻類ユーグレナ由来パラミロンとして初の免疫ケア機能性表示を実現させていた。
ユーグレナは、5月上旬を予定している事業譲受完了後、準備が整い次第、EOD-1株粉末の原材料販売をはじめ、OEM提供を開始する。また、ミカレアが届け出ている免疫ケア訴求の機能性表示食品『ミカレアのパラミロン』の後継商品(代替商品)の開発を進め、譲受完了から半年以内を目途にした上市を目指す方針だ。
微細藻類ユーグレナを活用した健康食品は、もともとユーグレナがほぼ独占的に国内市場開拓を進めていた。だが、神鋼環境が2017年、パラミロンを豊富に含む独自株(EOD-1株)をもって市場参入を果たしたことで、その状態が崩れていた。神鋼環境から事業を譲り受けることで、国内ユーグレナ健康食品市場の構図は、ふたたびユーグレナの独占的な状態に立ち返ることになる。
神鋼環境らの発表によると、今回の事業譲渡における譲渡対象は、神鋼環境とミカレアが保有する藻類食品事業に関連する知的財産(特許、ノウハウなど)。ユーグレナは28日、事業譲受完了後のEOD-1株の培養や粉末化といった製造関係について、「当社グループの製造設備での製造および研究を行う見込み」と取材に答えた。
神鋼環境は27日、取材に対し、事業譲渡の理由や判断について、「これまで藻類事業の発展や『金のユーグレナ』(EOD-1株)の普及に取り組んできたが、藻類事業全体の市場価値の向上や事業の継続的な強化を総合的に検討した結果、事業譲渡が最適であると判断した」と答えた。
【石川太郎】
(冒頭の写真:神鋼環境からEOD-1株関連事業を譲受することを伝えるユーグレナのウェブサイト)
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