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しげよし現場、機能不全の実態 給与未払いで人員流出、店舗実態に乖離の可能性

 仕出し弁当宅配サービス「しげよし」を巡る問題では、運営構造の分離が指摘される中、現場の実態にも深刻な影響が及んでいる可能性が浮かび上がった。関係者証言によれば、給与未払いを背景に従業員の離職が相次ぎ、一部直営店舗では営業維持が困難な状況に陥っていたとされる。店舗の稼働実態と対外的な表示との間に乖離が生じていた可能性もあり、事業全体の実像把握の難しさが改めて問われている

給与未払いで一斉離職の実態

 証言によれば、一部の直営店舗では、パート従業員を中心に人員の流出が急速に進み、通常の営業を維持することが困難な状態に陥っていたという。こうした状況は、単なる人手不足ではなく、賃金の支払いが滞ったことに起因するものであったとされる。

 現場では、従業員への給与が期日どおりに支払われない状態が続き、「いつ支払われるのか分からない」という不安の中で業務が継続されていたとの複数の証言を得ている。結果として、大勢の従業員が同時期に出勤を停止し、事実上の一斉退職に近い状態となったケースも確認した。これについては、近日中に証言者の動画も公開する予定だ。

 こうした人員の流出により、一部店舗では調理や配送といった基本的な業務の維持が困難となり、店舗単位での営業体制が崩れていた可能性がある。従来は各店舗で完結していた製造・提供の機能が縮小し、別の拠点からの供給に依存するスタイルへと変化していたとする証言もある。

店舗表示と実態の乖離

 この結果、外部からは営業が継続されているように見える場合であっても、実際には店舗単独での運営が成立していない状態が生じていた可能性がある。店舗の存在と実際の稼働状況との間に乖離が生じていたとすれば、事業全体の実態把握を困難にする要因となる。

 実情に詳しい人物の証言によれば、しげよしのホームページに掲載されている店舗の中には、同一の電話番号が複数店舗に共通して記載されているケースが確認されている。編集部でも一部地域について確認したところ、複数の店舗に同一番号が用いられている例が確認された。例えば、複数地域にまたがって同一の050番号が使用されているケースも確認された。こうした点から、掲載上の店舗数と実際の運営体制との間に差異が生じている可能性がある。

 さらに、こうした状況が続く中で、提供されるサービスの実態にも変化が生じていたとみられる。人員や資材の制約の中で、従来の体制を維持することが困難となり、運営方法の変更を余儀なくされていた可能性がある。

現場崩壊と運営構造の連動

 今回の取材で明らかになったのは、給与未払いが単なる労務問題にとどまらず、現場の機能そのものに直接影響を及ぼしていた可能性である。人員の流出は業務の停滞を招き、業務の停滞はさらに運営の不安定化を招くという悪循環が生じていた。
 この点は、前回の記事で指摘した運営構造とも無関係ではない。現場、財務、意思決定の機能が分離していたとすれば、現場で発生している問題がただちに経営判断につながらない状況が生じていた。しかし現場は負のスパイラルに巻き込まれたまま、意思決定者の指示に従わざるを得ない状況が生み出されていた可能性がある。

 また、運営の実態に関しては、内部に関与していた関係者からも証言が寄せられている。
 同関係者は、複数の法人が段階的に設立・運用されていた経緯について、資金繰りや支払い対応を背景に取引主体の切り替えが行われていた可能性があるとの認識を示している。
 業務の進め方についても、「各種対応について個別に指示が出され、それに基づいて現場が動いていた」とした上で、「形式上の役職とは別に、実務上の判断が特定の人物の指示に基づいて行われていたように感じた」と証言している。
 もっとも、これらはいずれも関係者の認識に基づくものであり、実際の意思決定体制や法人運営の実態については、引き続き確認が必要である。

 編集部では現在、各店舗の稼働状況や人員の推移について、追加資料の収集および関係者への確認を進めており、現場で実際に何が起きていたのかという点について、証言も含めて、具体的な事実関係の解明を進めていく方針だ。現場で起きていた事象と、運営構造との関係について、今後の検証が重要な論点となる。

【田代 宏】

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