回転寿司チェーンなどに公開質問状 ゲノム編集魚類・培養魚肉の使用方針を問う
「日本消費者連盟」および「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は、全国の回転寿司チェーンおよび海鮮系居酒屋チェーンを展開する18社に対し、ゲノム編集魚類および培養魚肉の使用に関する質問状を送付した。7月14日までに書面または電子メールで回答するよう求めている。
この質問状の背景には、ゲノム編集食品や培養肉の市場流通が進む中、これらの新技術食品の安全性や表示義務が不十分であるという懸念がある。団体側は、消費者が選択の機会を奪われないよう、企業の方針を明らかにすることが必要だと訴える。
ゲノム編集食品については、2020年のゲノム編集トマトの届出を皮切りに、これまでに8品目の届出が受理されており、その中には魚類も含まれる。団体は、ゲノム編集技術によって生物の遺伝子やエピゲノムに想定外の変異が生じる可能性があることを問題視している。国の安全性審査もなく、表示義務も課されていない現状では、消費者が商品を識別し選択することが困難と主張している。
また、牛や豚、鶏だけでなく、ウナギやマグロといった魚種を対象とした「培養肉(細胞性食品)」の開発も進んでいることに触れ、消費者庁がガイドラインを策定中であるとしつつも、安全性の未確認や製造時における環境負荷の大きさに懸念を表明した。
質問状では、ゲノム編集魚類および培養魚肉を現時点で使用しているか否か、使用予定の有無、その理由、将来的な使用時における表示方針などについて、選択肢を設けた形で企業に見解を求めている。あわせて、企業が現在抱えている課題や懸念などについて自由記述の形でも意見を募集している。
質問状の送付先は以下の18社(順不同、【 】内は社名)。
スシロー【㈱あきんどスシロー】
くら寿司【くら寿司㈱】
はま寿司【㈱はま寿司】
すし銚子丸【㈱銚子丸】
かっぱ寿司【カッパ・クリエイト㈱】
魚べい/元気寿司【㈱Genki Global Dining Concepts】
がってん寿司【㈱アールディーシー】
回転寿しトリトン【北一食品㈱】
すしざんまい【㈱喜代村】
海鮮三崎港【㈱京樽】
にぎりの徳兵衛【㈱アトム】
平禄寿司【㈱焼肉坂井ホールディングス】
さくら水産【㈱テラケン】
磯丸水産【SFPホールディングス㈱】
庄や【㈱大庄】
魚民【㈱モンテローザ】
丼丸【㈱ササフネ】
笹互【㈱笹互】
団体側は、質問状への回答の有無も含めて、結果を自らのホームページ等で公表する方針としている。
詳細はこちら(日本消費者連盟HPより)