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神代から令和まで健康食品のルーツを探る~歴史から見えてくる課題は何か?(17)

(公財)食の安全・安心財団理事長 東京大学名誉教授 唐木英明唐木英明

<厚生省発出「46通知」とは>
 1971年に当時の厚生省から下記の局長通知が出された。いわゆる46(ヨンロク)通知である。食薬区分の厳守、すなわち食品に予防・治療効果の表示を許さないという厚生省の考え方がよく分かり、この姿勢は現在も変わっていないので、概要を記載する。

             無承認無許可医薬品の指導取締りについて
                               (昭和46年6月1日 薬発第476号)
                           (各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
 昨今、その本質、形状、表示された効能効果、用法用量等から判断して医薬品とみなされるべき物が、食品の名目のもとに製造(輸入を含む。以下同じ。)販売されている事例が少なからずみうけられている。
かかる製品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「法」という。)において、医薬品として、その製造、販売、品質、表示、広告等について必要な規制を受けるべきものであるにもかかわらず、食品の名目で製造販売されているため、
(1) 万病に、あるいは、特定疾病に効果があるかのごとく表示広告されることにより、 これを信じて服用する一般消費者に、正しい医療を受ける機会を失わせ、疾病を悪化させるなど、保健衛生上の危害を生じさせる、
(2) 不良品及び偽薬品が製造販売される、
(3) 一般人の間に存在する医薬品及び食品に対する概念を崩壊させ、医薬品の正しい 使用が損われ、ひいては、医薬品に対する不信感を生じさせる、
(4) 高貴な成分を配合しているかのごとく、あるいは特殊な方法により製造したかのごとく表示広告して、高価な価格を設定し、一般消費者に不当な経済的負担を負わせる、
等の弊害をもたらすおそれのある事例がみられている。
 このため、従来より各都道府県の協力をえて、法等の規定に基づく厳重な指導取締りを行なってきたところであるが、業者間に認識があさく、現在、なお医薬品の範囲に属する物であるにもかかわらず、食品として製造販売されているものがみられることは極めて遺憾なことである。
 ついては、今般、今まで報告されてきた事例等を参考として、人が経口的に服用する物のうち「医薬品の範囲に関する基準」(以下「基準」という。)を別紙のとおり定めたので、今後は、下記の点に留意のうえ、貴管下関係業者に対して、遺憾のないように指導取締りを行なわれたい。

(つづく)

<プロフィール>
1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを歴任。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。専門は薬理学、毒性学、食品安全、リスクコミュニケーション。

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