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消費者庁VS大幸薬品(6)
店頭に並ぶ違反商品も 大幸薬品は「自主回収せず」

 措置命令の対象となった「クレベリン」シリーズ4商品のうち、『クレベリン スプレー』が神奈川県下の中堅ドラッグストアで販売されているのを確認した。実際に、記者は同品を1,980円(税込)で購入している。パッケージには「ウイルス菌を除去」、「空間(玄関、トイレ、浴室、洗面所)のウイルス除去・除菌」など、違反の対象とされた記載がある。また、同県下の調剤薬局には『クレベリン スティック ペンタイプ』が――。ただし、ウェルネスデイリーニュース(東京都港区)が本社を置く新橋周辺の大手ドラッグストア2店舗には『クレベリン 置き型』以外の商品は陳列されていなかった。いわゆる措置命令対象製品はなかった。このように、ドラッグストアによって対応はまちまちのようである。

 陳列されていない理由について、大手ドラッグストアの店員が「自主回収された」と答えたため、大幸薬品に確認したところ、「自主回収は行っていない」との返答だった。「回収された」というのはおそらく、本部が自主的に行った回収だと推測できる。また、アマゾンなどの一部ショッピングモールでも措置命令対象商品は販売されているようだ。

 景品表示法第6章(罰則)第36条には、7条1項に規定する命令に違反した場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金、場合によってはその両方を科すとしている。また同38条には、3億円以下の両罰規定も定められている。

 それでもなお、大幸薬品が4商品を自主回収しないのには、「製品自体には問題はなく、製品の表記には合理的根拠を有している」との強い思いが背景にあるようだ。「日頃からご愛顧いただいているお客様に迷惑をかけられない」という同社と、「消費者の商品選択について資すると考えたから措置命令を取った」とする消費者庁。
 相容れない両者の主張だが、どちらが真に消費者のためになるのか、関係者は固唾をのんで見守っている。

(つづく)
【田代 宏】

(冒頭の写真:調剤薬局の店頭で見つけた『クレベリン スティック ペンタイプ』)

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