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消費者庁に法的措置  
大幸薬品の対決姿勢鮮明「司法の判断仰ぐ」(柴田社長)

 22日に行われた大幸薬品㈱(大阪府吹田市)の2021年12月期連結決算報告会で柴田髙社長は当期を振り返り、売上高前期比47.6%減、営業利益マイナス49億円、当期純利益マイナス95億円という過去最大の赤字を出した責任は「社長としての大きな読み間違いが原因」と自省し、株主およびステークホルダーなどの関係者に頭を下げた。
 消費者庁と係争中のクレベリンについては、是々非々で対応し法的措置を講じると述べた。

大損失は経営判断の誤り

 大きな損失を招いた要因として、「感染管理事業における需要予測の大幅な乖離」、「高い需要予測に基づく生産・仕入れ体制の増強」、「積極的な事業拡大による固定費の増加」、「急速な市場変化に対する社内体制整備の遅れ」、「消費者庁による措置命令の影響」を挙げ、新型コロナ禍で生じたパニック需要に伴うリバウンドをまともに受けたとし、「パンデミックに対応できる商品だと確信し、絶対に欠品は許さないという私の命令を社員一同がまともに受けた。これは私の大きな読み間違いであり、人類の天敵と戦うという大幸薬品の夢が、実はそういうものではなかった」と経営判断の誤りを冷静に分析した。

役員報酬は3カ月間減俸に

 また、2009年に新型インフルエンザで最高益を出した後、翌10年に最高赤字を出した時と全く同じ轍を踏んでしまったとも反省。
 「当時は新型インフルエンザのパンデミックはすぐに終息したが、今回は数年続くと見誤ったのが最大の要因。私の読みが甘かった」と自省の弁を繰り返した。
 誤った予測に基づく固定費の増大と急速な市場変化、消費者庁による措置命令というトリプルパンチに見舞われた結果、過去にない大きな危機に瀕した責任について、「経営判断を誤ったということを実直に受け止めている」とし、3カ月の間、代表取締役は役員報酬を月額50%、専務取締役30%、執行役員10%を減額することを報告した。

 経営基盤の強化に向けて柴田社長は、プロジェクトチーム「構造改革プロジェクト」を発足した。同チームの下、組織体制の見直し、財務体質の改善、ガバナンス体制の強化など、取り組むべき事項を原点回帰しながら事業戦略を再構築するとしている。
 今年120周年を迎える『正露丸』については、さまざまなアイテムを投入し、瀉薬の領域にとどまらない新たな市場の開拓に向けて国内外で展開する。
 『クレベリン』をコアとする感染管理事業の将来については、「低濃度二酸化塩素ガスを用いた空間感染予防法が今後芽生え、大きな市場になっていく。そのアイテムを我々は提供している」と説明。除菌、ビル空調、SDGsに至るまで、二酸化塩素ガスが持つ性能とそのポテンシャルについて、「コロナ禍にあって二酸化塩素が注目される大きなマテリアルになると確信している」と述べた。「全社一丸となって乗り越え、経営課題を解決しつつ、出血を抑え、構造改革の下に安定的な成長を目指していく」との覚悟を示した。また、2022年12月期の連結業績予想に関しては未定。感染管理事業の売り上げが確定し、予想が立ち次第公表すると述べるにとどめた。

「措置命令は表示に対してのもの」(柴田社長)

 柴田社長は、クレベリン製品に対する消費者庁からの指摘についても言及した。元々タバコの消臭剤として開発した「クレベリン ゲル」に関する科学的なエビデンスとそのメカニズム、国際特許などを紹介。「今は雑貨だが、今後は医薬品化していく」と展望を語った上で、「消費者庁の指摘は製品表示に対するもので性能に対して否定されたものではない」とし、「措置命令に対しては、我々はエビデンスを持っている。法的措置を講じる予定」と対決姿勢を示した。

 質疑応答で同氏は、株主からの質問に対しておおよそ次のように答えている。

「消費者庁の指導には是々非々で対応し、次のフェーズを見据えてしっかりと市場を回復していきたい」
「私どものエビデンスが、その合理的根拠がないという判断で4商品について措置命令が発出された。まずは第三者機関である司法によってその判断を仰ぎたいというのが我々の現状」
「措置命令が出たということで(一社)日本二酸化塩素工業会の会長としても本当に残念。それは行政ともコミュニケーション、情報の共有が至らなかったいうこと。今のところ(措置命令は)4商品だが、ブランドが棄損したというのはものすごく大きなダメージ。そういう意味では、正しいエビデンス、サイエンス、そしてコミュニケーションを、行政や流通、そして小売、お客様に真摯に伝え、今本当に困っている方に我々の製品で1人でも、心の安らぎ、予防意識というあたりをどういうふうに醸成していくかというのを信頼回復のメインテーマとして全社を挙げて取り組んでいきたい」
 決算説明会の動画は同社のIR情報で公開している。

クレベリン訴訟 これまでの経緯

 クレベリンについては1月12日、東京地方裁判所が『クレベリン置き型』2商品について、消費者庁に提出した資料に除菌・ウイルス除去効果の裏付けとなる合理的根拠があるとして、大幸薬品による措置命令に対する「仮の差止請求」を認容した。ただし、他の4商品については認められなかったため、大幸薬品は翌日、東京高等裁判所に即時抗告したが、消費者庁が同20日に4商品に対して措置命令を発出したため28日に即時抗告を取り下げている。
 一方、東京地裁の仮の差止認容に対しては、消費者庁は20日に即時抗告を行っている。

 消費者庁との訴訟について同社はウェルネスニュースグループの取材に対し、「4商品については今後、審査請求か取消訴訟の法的措置を講ずる予定」と法的措置の中身を具体的に示した。

(了)
【田代 宏】 

大幸薬品IR情報

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(冒頭の写真:代表取締役社長 柴田 高 氏)

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