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新井長官、「GL改正はパブコメ後に」 PRISMA2020準拠、必要な準備期間について意見募集へ

 消費者庁が予定している機能性表示食品の届出ガイドライン(GL)改正について、同庁の新井ゆたか長官(=写真)が6日、改正は、パブリックコメント(意見募集)を実施した上で行うと明言した。

 機能性表示食品の届出表示の科学的根拠をめぐる措置命令(景品表示法違反)、その後に業界団体を通じて事業者に求めた科学的根拠の再検証などの対応を説明するのに合わせて述べたもので、GL改正を通じて、システマティックレビュー(SR)に関する国際的な指針「PRISMA声明」の最新版(2020)への準拠を事業者に求めると強調した。近く、改正案を公表するとみられる。GLは2015年3月末の制定以来、これまでに都合9回の改正が繰り返されてきたが、意見募集の実施はなかった。

 6日に開いた定例会見の冒頭で発言した。機能性表示食品の届出を行う事業者がPRISMA声明2020に準拠したSRを行うためには、「一定の準備期間が必要」との認識を新井長官は示し、「新規の届出や、既存の届出の再検証については、事業者の実行可能性を踏まえる必要もある」と述べた。また、2020準拠を事業者に求める理由については、「(届け出られた)SRの更新を促進するためだ」とした。

 「再検証」という表現を用い、公表済みの届出にも遡るかたちで2020準拠を求める考えを明確に示した格好。現行のGLが準拠を求めているのは同声明の旧版(2009)であるため、2020準拠はSRの再実施を意味する。そのために必要な準備期間について広く意見を求めるため、意見募集を行う。必要な準備期間について新井長官自身は、「今は何も考えを持ち合わせていない」と強調。「パブリックコメントを行う中で決めていきたい」と述べた。

 次のGL改正において、主要な改正点として、PRISMA声明2020準拠が盛り込まれることは規定路線だった。機能性表示食品制度を所管する同庁食品表示企画課は昨年来、次のGL改正で2020への準拠を求める考えを明らかにしていた。

 ただ、届出件数は累計で7,000件を超える。商品として現在販売されているものだけに絞っても、少なくとも3,000以上が存在する。しかも、大半が、届出表示の科学的根拠としてSRを届け出ている。届出を行っている業界関係者は、「中途半端な準備期間では対応不可能。それでもやれと言われたら、機能性表示食品全体が大変なことになる」とする。

 PRISMA声明2020のチェック事項は2009よりも多い。「詳しく記述することになるため内容がよりクリアになる」メリットがあると、SRに詳しい業界関係者は語る。一方で、それによって「SRにかかる手間と時間、つまりコストが高まる」と別の関係者は指摘する。他方、新井長官は、2020準拠によって機能性表示食品制度への信頼を高めることができると考えている。会見で、「機能性表示食品の信頼性を高めるために、事業者の方々に(2020準拠を)お願いしたい」と語った。

【石川太郎】

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