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心血管疾患リスクに備えるトクホ マルハニチロが来月発売、発表会にJHNFA矢島理事長も登壇

 心血管疾患のリスクを低減する可能性を訴求する、これまでにない特定保健用食品(トクホ)が来月から新発売される。国から表示許可を得たマルハニチロ㈱(東京都江東区、池見賢社長)がスーパーマーケットなどの店頭で発売するもので、食品の種類はフィッシュソーセージ。以前から仕組みはあったものの利用されていなかった、商品個別評価型の疾病リスク低減表示トクホの第1号となる。

 同社が16日開催した2024年春季新商品発表会で発表した。発表会には、同トクホの許可申請を支援した(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)の矢島鉄也理事長が登壇し講演。健康寿命の延伸や健康格差の縮小が求められている中で、初めて個別評価による疾病リスク低減表示トクホが許可された意義を強調した。第2、3弾の許可商品が続くよう「引き続き(許可申請を)支援したい」と語った。

 マルハニチロは来月1日、『DHA入りリサーラソーセージω(オメガ)』を全国で発売する。オメガ3脂肪酸のDHAとEPAが合わせて約1グラム超含まれる。昨年10月、「日頃の運動とDHA及びEPAを含む健康的な食事は、将来、心血管疾患になるリスクを低減する可能性がある」旨の表示許可を、消費者委員会で安全性と有効性が審査された上で消費者庁長官から得ていた。

 参考小売価格は1本あたり324円(税込)。3月からテレビCMなどを通じた商品の普及啓発が始まる。心血管疾患リスク低減機能を表示し訴求する、医薬品にかなり近接することになる食品を一般消費者はどう受け止めるか。健康食品業界内外から大きく注目されそうだ。

 商品パッケージには、次の注意事項も表示される。「一般に疾病は様々な要因に起因するものであり、DHA及びEPAを過剰に摂取しても心血管疾患になるリスクがなくなるわけではありません。医師の治療を受けている人は、医師に相談してください」

 マルハニチロが同商品の疾病リスク低減表示許可を消費者庁に申請したのは22年3月だった。申請を受けた同庁は翌年2月中旬までに、トクホの安全性や有効性を審査する消費者委員会に表示許可を諮問。そして消費者委員会は同年10月、諮問から1年も経ずに、表示を認めて差し支えない旨を答申していた。

 消費者庁は、同商品の他に2社2製品について、個別評価型疾病リスク低減表示トクホの許可を消費者委員会に諮問していた。しかし、同委員会は現在までに答申していない。うち1製品については、現在までに許可申請が取り下げられた。

【石川太郎】

(冒頭の写真:16日、マルハニチロ本社内で開かれた2024年春季新商品発表会・試食会での1コマ。同社代表取締役副社長の半澤貞彦氏=写真左と日本健康・栄養食品協会理事長の矢島鉄也氏。下の写真:同社が2月1日に新発売する疾病リスク低減表示トクホ)

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