1. HOME
  2. メディカル
  3. 厚労省、トクホ・機能性表示食品の臨床試験は臨床研究法の対象外

厚労省、トクホ・機能性表示食品の臨床試験は臨床研究法の対象外

未承認医薬品などの臨床研究に新たな規制を設けた「臨床研究法」が、来年4月1日から完全実施される。「特定臨床研究」の実施者に対し、モニタリング・監査の実施や利益相反の管理などが義務づけられる。ただし、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品のために行うサプリメントなどの臨床研究は原則、法の対象外となる。

 臨床研究法は、データ改ざんといった臨床研究をめぐる不正防止が目的。昨年4月14日に公布、今年4月1日に施行された。経過措置期間は来年3月31日までとなっている。

 臨床研究法の対象とする「臨床試験」を「医薬品等を人に対して用いることにより、当該医薬品等の有効性または安全性を明らかにする研究」と規定。そのうち、未承認医薬品等や適応外の医薬品等、製薬企業等から資金提供を受けた医薬品等の臨床研究を「特定臨床研究」と定めている。

 「特定臨床研究」については実施者に対し、(1)実施計画の適否を認定臨床研究審査委員会の意見を聞いた上で厚労大臣に提出、(2)モニタリング・監査の実施、(3)利益相反の管理に関する実施基準の順守、(4)インフォームド・コンセントの取得、(5)記録の保存――などを義務化。特定臨床研究によって疾病が生じた場合には、認定臨床研究審査委員会と厚労大臣へ報告しなければならない。また、製薬企業等に対し、資金提供する際の契約締結と情報公開を義務付けた。「特定臨床研究」以外の「臨床研究」については、努力義務が求められる。

 厚労省のQ&Aでは、サプリメントを用いた臨床試験が、法の対象となるかどうかを説明している。それによると、「『食品』として販売されている物、またはその成分を含有する物であっても、疾病の治療等に使用されることが目的の場合には『医薬品』に該当する。このため、これを患者等に投与することにより、疾病の治療等に対する有効性や安全性を評価することを目的とした研究は、未承認の医薬品を用いた臨床研究として、法に規定する臨床研究に該当する可能性がある」という。

 ここで言う「医薬品」とは、「日本薬局方に収載されている物」、「人の疾病の診断・治療または予防に使用されることが目的とされている物」、「人の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」のどれかに該当する場合だ。

 Q&Aには曖昧な点が含まれるため、サプリメントと法の関係について、厚労省の担当課に話を聞いた。担当課では「使い方や目的によって異なるため、個別に見ていく」(医政局研究開発振興課)ことが原則と指摘。このため、「『食品』であっても、疾病の治療などに対する有効性を解明する目的で臨床試験を行うならば、未承認医薬品とみなされ、『特定臨床研究』の対象となる」と説明する。

 一方、トクホの申請や機能性表示食品の届出のために行う臨床研究については、「『食品』の研究となり、臨床研究法の『臨床研究』に該当しない」と話している。

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ