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傾いた心身バランス、整えるエキス 【素材最前線】ロディオライフ、龍泉堂が国内独占販売権

 非変性Ⅱ型コラーゲン(鶏軟骨由来)やエラグ酸(アフリカマンゴノキ由来)などの原材料販売を手がける㈱龍泉堂(東京都豊島区、塩島由晃社長)が新製品を発売した。中国では「紅景天」と呼ばれる多年草植物イワベンケイ(Rhodhiola rosea)の根を原料にしたエキス。日常生活で生じることのある身体的・精神的な乱れを整える「リバランス」素材として提案を進める。機能性表示対応素材としての展開も射程に入れている。

イワベンケイエキス、機能性表示対応目指す

 新発売したイワベンケイ根エキスの製品名は「Rhodiolife(ロディオライフ)」。開発元および製造元は、スペインを拠点にする植物エキスメーカーのNektium社。同社は、「Zynamite(ザイナマイト)」や「Xanthigen(ザンシゲン)」といったサプリメント向け植物エキスのブランド素材の製造販売元として知られる。

 龍泉堂は、駐日スペイン大使館からアプローチを受けたのをきっかけにNektium社との間で販売代理店契約を締結。ロディオライフを日本国内で独占的に販売できる権利を獲得した。

 龍泉堂に加えて欧州2社との間で販売パートナーシップ契約を結んだNektium社は先ごろコメントを出し、「国際的なプレゼンスを強化できることを嬉しく思う。(販売代理店各社の)豊富な市場知識と技術的・規制的専門知識によって、新たな顧客を獲得し、より広範な地域での販売を促進することができる」として、今後の拡販に期待を寄せた。

 龍泉堂では今後、ロディオライフの機能性や安全性に関する研究を日本国内で独自に進める。イワベンケイ根エキスの有効性を検証した論文は抗疲労機能を中心に多く発表されており、ロディオライフとしてもヒト対象研究に基づく論文がいくつか出ているが、機能性表示食品対応素材として日本で展開していくためにエビデンスの補強を図る。

 機能性関与成分の設定に関しては、ロディオライフに含まれる有効成分をそのまま適応できる見通し。有効成分は、イワベンケイに特有とされるポリフェノールの一種、ロザビンやロザリンなどのロザビン類と、フェニルエタノール配糖体のサリドロシドで、規格値はそれぞれ5.0%以上、1.8%以上。同社では、「他のイワベンケイエキスに比べて有効成分の含有量が多い」としている。

 原料となるイワベンケイの根の安全性について同社では、「古くから北欧やロシアのほか、中国やチベットなどのアジアで食用などに利用されてきた。伝統的な民間療法としても昔から使用されている」と説明し、一定の食経験があるとする。また、エキスとしての安全性については、「これまでに実施されてきた臨床試験でも重篤な有害事象は認められていない」。とはいえ、万全を期すために、今後、ヒトを対象にした安全性試験を国内で改めて実施する。

アダプトゲンの側面、焦点はアウトカム

 もともとイワベンケイは、いわゆる「アダプトゲン」として着目されてきた経緯がある。身体的・精神的なストレスに適応したり、抵抗したりする働きを持つ植物といわれる。

 実際、ロディオライフを使用したヒト対象研究の結果、一時的に高まった精神的なストレスや疲労感を軽減したり、運動後の筋肉炎症を抑えたりする働きを持つことが示唆されている。論文発表もされている。一定のエビデンスがあるといえるが、龍泉堂では、「必要十分とはいえない」と指摘。今後、国内でエビデンスを積み上げる必要があるとする。

 「ストレスや疲労感に対する機能を単にうたうだけでは差別化できない。今後、国内で臨床試験を実施するにあたっては、アウトカムの設定をどうするかが焦点になる。マーケティングを進めながらアウトカムを検討し、来年にも(臨床試験に)着手したい」。今後国内で進めることになるロディオライフの研究開発について同社はそう話す。

【石川太郎】

(下の写真:ロディオライフの原料となるイワベンケイの根。イワベンケイは、北半球の亜寒帯や鉱山に広く分布する。龍泉堂提供)

素材概要 製品名:Rhodiolife(イワベンケイエキス)/起原原料:イワベンケイ(Rhodhiola rosea)の根/性状:粉末/規格成分:総ロザビン類5.0%以上、サリドロシド1.8%以上/摂取目安量:180mg/日

『ウェルネスマンスリーレポート』2023年7月10日号(第61号)より転載

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