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5-ALA、コロナ後遺症患者の連続摂取 
安全性を検証 疲労感軽減が示唆

 サプリメントの原材料として用いられる5-アミノレブリン酸リン酸塩(以下、5-ALAリン酸塩)とクエン酸第一鉄ナトリウム(同、SFC)の組み合わせを通常より多く摂取した場合の安全性を確認する試験が先ごろ実施され、安全性が確認されるとともに、摂取前後での疲労感や不安感などの改善が確認されたという。

原材料製造元らが実施

 この研究は、東京大学大学院薬学系研究科ITヘルスケア社会連携講座(今村恭子特任教授)と、5-ALAリン酸塩を製造販売するネオファーマジャパン㈱(東京都千代田区、河田聡史社長)が共同で実施したもの。新型コロナウイルス感染後の後遺症の症状がある患者を対象に、特定臨床研究を行った。電子日誌やスマートウォッチを活用した被験者の行動モニタリングを行い、リモートでの臨床研究の有用性も併せて検証した。

 研究内容について具体的には、新型コロナ後遺症を有する21の症例を対象に、5-ALAリン酸塩を1日あたり300mg及びSFC同174mgを28日間連続摂取した際の安全性を検証した。5-ALAリン酸塩は、日常生活で一時的な疲労感を感じる人を対象にした機能性表示食品の機能性関与成分として届出がされており、1日摂取目安量は30mg。10倍量を一定期間摂取した際の安全性を検証したことになる。

今後「大規模な人数で効果検証が必要」

 安全性試験を行った目的についてネオファーマジャパンでは、「5-ALAリン酸塩とSFCは、これまでの研究から健常人の疲労感を低減させる効果が確認されている。新型コロナ後遺症を有する患者においては、この研究結果を基に市販品を過剰摂取するおそれがあるため、これらの方々を対象に安全性試験を実施した」と説明している。

 安全性が確認されたことに加え、疲労感はじめ不安感、ふさいだ気分といった精神的な状態について、摂取前後比における有意な改善も確認されたといい、「後遺症を訴える人が増加することが想定される。今後より大規模な人数での効果検証が必要になる」(同)としている。

 研究結果をまとめた論文は、関連学術誌の『ALA-Porphyrin Science』に掲載された。論文名は「Phase 2 randomized clinical trial of 5-Aminolevulinic acid plus sodium citrate chloride vs placebo for Covid-19 infected patients recovered with sequelae」。掲載は3月28日付。

【石川太郎】

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