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帝人、機能性食品素材事業から撤退 原材料販売を今月末終了、スーパー大麦事業は伊藤忠商事が引き継ぐ

 帝人㈱(東京都千代田区、内川哲茂社長)が機能性食品素材事業から撤退する。24日に発表した。2016年に同事業(ビオリエ事業)を立ち上げ、スーパー大麦「バーリーマックス」や乳酸菌「UREX」などのブランド原材料の販売を手がけてきたが、一部素材を除き今月末をもって販売を終了するという。

 帝人の発表によると、同社としての販売を今月末に終える素材は、バーリーマックス、UREXに加えて乳酸菌の「LGG」および「ASTARTE(アスタルテ)」、そしてビフィズス菌の「BB-12」。他に、水溶性食物繊維「イヌリア」についても、来月末をもって販売を終えるという。

 豪州企業が権利を持つバーリーマックスの日本での事業は5月以降、伊藤忠商事㈱(東京都港区)が全面的に引き継ぐ。伊藤忠は24日、これまで帝人が保有していた同素材の日本と台湾での独占販売権および商標権の取得を発表。「(伊藤忠は)グループ全体で約1万社の食品企業との取引実績を有しており、バーリーマックスの販売チャネルをさらに拡充させる」と今後の事業展開に意気込む。

 また、機能性表示食品向けにも販売してきた「UREX」をはじめとする乳酸菌や「BB-12」については、製造元のクリスチャン・ハンセン(デンマーク)に日本での販売権等のライセンスを返却する。帝人は、各乳酸菌およびビフィズス菌の5月以降の窓口として、日本法人のクリスチャン・ハンセン・ジャパン㈱を案内している。

グループの目黒研究所、アサヒグループ食品に株式譲渡へ

 さらに、乳酸菌や納豆菌といったプロバイオティックス製品の開発や製造などを行う㈱帝人目黒研究所(大阪市中央区。工場:兵庫県加西市)については、アサヒグループ食品㈱(東京都墨田区)へ全株式を譲渡する。帝人は、22年10月、旧目黒研究所の全株式を取得し子会社化していた。アサヒグループ食品は25日、帝人目黒研究所の株式を100%取得すると発表。来月1日付で「アサヒ目黒研究所」に改称のうえで自社の生産拠点として事業を開始する、としている。

 一方、帝人は、5月をもって販売を終えるイヌリアの今後について、今のところ「未定」だとしている。決まり次第アナウンスする。

 帝人は28日、機能性食品素材事業の終了および帝人目黒研究所の売却益が業績に及ぼす影響について、取材に「軽微だ」(コーポレートコミュニケーション部)と答えた。

 また、同社の傘下には、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を配合したサプリメントなど機能性食品の一般消費者向け販売を展開する会社も存在するが、今回の発表では同社について何も触れていない。取材には、「現時点で決まっていることは何も無い」(同)とした。

【石川太郎】

(冒頭の画像:機能性食品素材事業の終了を伝える帝人のウェブサイト)

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