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政府、大麻取締法等改正案を閣議決定 大麻由来製品のTHC残留限度値を設定へ

 政府は24日、大麻取締法と麻薬及び向精神薬取締法の改正案を閣議決定した。大麻草の適正な医療利用、産業利用を図るとともに、大麻の乱用による健康危害の発生防止を改正の主旨とする。

 改正の柱は、大麻草を原料にした医療用医薬品の使用容認、大麻の乱用防止を図るための使用罪の創設、大麻草の栽培規制の見直し──の大きく3つ。健康危害発生防止のため、CBDオイルなど大麻草由来製品に微量残留するTHCの残留限度値も設けることにしており、健康食品などのヘルスケア産業にも一定の影響を与えることになる。今国会(第212国会)で成立させ、公布日から1年以内の施行を目指す。

 大麻取締法は1948年に施行。改正案が成立すれば、施行以来初の大型改正となる。所管する厚生労働省の監視指導・麻薬対策課は、国内での若者を中心にした大麻事犯の増加や、海外諸国で進む大麻由来成分カンナビノイドの医療用途での活用などといった新たな動きを受け、2021年1月以来、有識者で構成する検討会や小委員会を通じ、法改正に向けた検討を続けていた。医療ニーズに対応するため、規制のあり方を抜本的に見直し、従来の「部位規制」(種子、成熟した茎を除き全て規制)から、幻覚作用を持つとされるTHCに着目した「成分規制」に改める方向性を、以前から示していた。

 CBDオイルに代表される大麻草由来製品の輸入販売事業者や、その製造販売を検討している事業者は、成分規制の導入を歓迎している様子。種子や成熟した茎以外の部位も原料として使えるようになるためだ。天然物ゆえに避けることができないTHCの残留は、法改正によって残留限度値が規定されることで、限度値を遵守できる適正な製造品質管理が行われることを前提に、法に抵触する恐れのない製品を製造販売できるようになる。

 一方、大麻由来製品中THC残留限度値は現時点では示されていない。統一的な分析試験方法なども含め、細かな規定や基準は今後、厚労省で検討が行われる見通し。

 また、法改正によってCBDを有効成分とする大麻由来医療用医薬品の使用が認められれば、食薬区分の取り扱いを検討する必要も生じると考えられる。医薬品との誤認を防止するなど、表示の面から規制が検討される可能性もありそうだ。改正案は閣議決定されたが、行政、業界ともに検討すべき事柄がまだまだ多く残されている。

【石川太郎】

(文中の画像:大麻取締法等改正案の概要。厚労省の公表資料から)

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