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【周年記念特集】30周年『カルピスウォーター』が全面リニューアル

 『カルピスウォーター』は30周年を期に、約8年ぶりとなる全面リニューアルを行った。ユーザーの嗜好の変化や飲用シーンの多様化も踏まえて進化させたかたちだが、長く愛される商品となっているポイントは何か? アサヒ飲料㈱(東京都墨田区、米女太一社長)マーケティング二部乳性グループの前田遼氏に話を聞いた。(聞き手・文:堂上昌幸)

<最適な希釈5.2倍に合わせて甘み・風味を調整>
 今回の全面リニューアルでは、2つの大きな改良点があると前田氏は言う。1つは、よりすっきり爽やかな味わいと風味に進化させたこと。そしてパッケージとロゴも新たな装いに変更した。
 
 「中身については、甘さと香りをブラッシュアップしました。カルピス自体は102年続くロングセラー商品で、お好みの濃さで飲んでいただけることが良さなのですが、そのまま飲めるカルピスウォーターはどれくらい希釈するのが最適な濃さなのかがポイントになります。そして、当社研究所で追及し続けてきた結果、5.2倍希釈が最適と判断しています。さらに“いつでもどこでもゴクゴク飲める”を基本コンセプトとする商品ですから、発売前に取った調査データをもとに微調整しています。こうした取り組みはこれまでも随時行ってきており、常にユーザーに合わせて風味を磨いてきているのです」(前田氏)。

<引き算が生んだヒット商品>
 通常の派生商品では足し算の発想でより濃く、よりリッチな味わいや風味を求めるものだが、カルピスウォーターはその逆、引き算から生まれた商品だ。しかし、その時々の嗜好の変化にも対応し、最適化を追い求めてきたからこそ、無事に30周年の節目を迎えた商品となっている。今回のリニューアルに際して行った研究や調査は、さらにその先の40・50周年を迎えるための貴重な踏み台となるだろう。

<「KOKOROスケール」による飲用調査を実施>
 もう1つのトピックスとしては、同社が「発売30年目の新発見」と表現する、カルピスウォーターの味わいが心に与える影響についての調査結果が挙げられる。国立研究開発法人理化学研究所の生命機能科学研究センター細胞機能評価研究チーム協力のもと、最新のITを駆使した「KOKOROスケール」による調査を行ったことである。
 
 「10~60代の男女400人を対象に、飲用直前と飲用直後の気分を測定し、気分の変化を数値化しました。その結果、飲用後に爽やかな気分が高まることが実証されました。それと同時に、心が満たされる方向に気分が変化していることも分かってきました」(前田氏)。
 従来の定性的な調査に加えて、定量的なアプローチも行ったことが今の時代性を感じさせる。
 
 一方、カルピスウォーターのコアユーザー層は部活などでアクティブな生活を送る中・高校生だが、ユーザーは60代までとかなり幅広い。発売当初に青春真っ盛りだったユーザーが、当時を思い出して店頭で手に取ることもある。このあたりにもロングセラーとなる理由がありそうだ。

<コロナ禍で新たな飲用シーンも>
 「いつでもどこでもゴクゴク飲める」商品だけに、容器体も発売以来の缶タイプをはじめ、現在主流となっているペットボトル、そして凍らせて飲用できるパウチタイプなども発売されている。
 
 「もともとアウトドアシーンでの飲用親和性が高い商品ですから、コロナ禍という特殊事情がなければ、部活だけでなく、夏祭りの際に凍らせて保冷剤みたいにして熱中症に備えながら、溶けだしてから飲用する経験を持つ方もけっこう多かった商品です。巣ごもり需要により家庭内で楽しむカルピス本体は売り上げ増でしたが、外出先や大勢で集まった時にも飲まれることの多いカルピスウォーターとしては早くコロナ禍が収束して、楽しい時間とともに飲んでいただける機会が増えてくれればという思いですね」(前田氏)。

<「『カルピスウォーター』レモン」新発売>
 カルピスは自宅で過ごす時間が増えたことで、炭酸で割る、ヨーグルトと混ぜる、手作りお菓子の材料に使用する、料理に使うなどバリエーションが増え、新たな飲用・使用の可能性も示されたという。
 
 カルピスウォーターの周年記念キャンペーンとしては3月から、LINEとジョイントしてLINEの10ポイントが必ずもらえる特典を設けたことから反響も上々。今月8日には、1993年2月に初の「カルピスウォーター」のフレーバー展開品として発売された「『カルピスウォーター』レモン」の復刻商品が発売される。

(写真:(左)1991年発売当時のカルピスウォーター。清涼飲料水と言えば缶の時代だった。現在も160g 、350g 、500gの缶は販売されている。(右)ロゴやパッケージを新装した現在の商品。右はペットボトル1.5L、左が自販機用の500mlサイズ。このほかパウチや紙パックの商品もある。

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