高タンパク食品市場、3兆米ドル突破 ユーロモニター調べ、一方で家計の引き締めなど逆風も
英国に拠点を置く市場調査会社、ユーロモニターインターナショナルは24日、高タンパク食品・飲料・サプリメントの2025年の世界小売売上高が3兆米ドルを超えたと発表した。一方、家計の引き締めや超加工食品に対する懸念を背景に、今後はタンパク質の量だけでなく、自然由来であることや実用性、価格に見合う価値がより重視されると分析している。
同社がまとめた調査レポート「高タンパクブームは続くのか─タンパク質需要の未来を探る」によると、世界のタンパク質需要は2024年から29年にかけて11%増加し、その後も力強い成長が続く見通しだという。
今後の需要拡大を支える消費者層としては、高齢者をはじめ、GLP-1薬の使用者、筋力トレーニングの実践者、新興国市場の消費者──を挙げた。いずれも継続的なタンパク質摂取のニーズを持つ消費者層と位置付けている。
ただ、市場拡大の一方で、高タンパクという訴求だけでは消費者の関心を維持しにくくなっている、との見方も示している。高タンパクブームは、家計の引き締めや超加工食品に対する消費者の懐疑的な見方の高まりといった逆風に直面している、という。
ユーロモニターが世界21カ国で実施した消費者調査(各国約1,000名対象)では、食生活の改善を目指す成人の41%が、超加工食品の摂取を減らしていると回答した。また、2024年の高タンパクの調理済み食品は、通常品と比べて平均66%高い価格で販売されていた。
そうした中では、消費者は、自然由来で、日常生活に取り入れやすく、価格に見合う価値があると判断すれば、タンパク質に対する支出を続けると分析。一方、タンパク質の配合だけに依存した製品やブランドは、消費者の目が厳しくなる中で、関心を維持することが難しくなると見る。
同社はまた、タンパク質に取って代わる単一の「次の高ニーズ栄養素」が登場する可能性は低いと予測。タンパク質が満たしている健康ニーズが多岐にわたるためで、今後は消費者の目的がさらに細分化し、それぞれに応じた成分や健康価値が求められるようになると分析している。
ただ、食物繊維に関しては、次の高ニーズ栄養素として注目すべきだとする。腸内環境を通じ、免疫機能や肌の健康など幅広い価値につながる点で、現在のタンパク質に近い存在と位置付ける見方を示した。ただし、食物繊維がタンパク質需要をそのまま置き換えるわけではないとしている。
【石川太郎】

