ゴルフではなかった理由　パート2

　結果的にゴルフに興味も情熱も持てなかった小生であるが（苦笑）、お陰様で（？）3拠点の支社長を経験した事もあり、北海道から沖縄まで、全国津々浦々の名門コースを接待ゴルフ＆各エリア有力取引先主催のゴルフコンペ等々でラウンドするという幸運にも恵まれた。ゴルフをこよなく愛するアマチュアゴルファーの皆様には大変申し訳なく思う次第だ（汗）。

　某エリア（南の方）の支社長時代の事だ。某県の老舗業務用卸に、三度の飯よりゴルフが大好きな副会長がいた。ひと回りほど年の離れた70代の兄貴であるやり手会長の陰に隠れ、本人はひたすらゴルフ＆ギャンブル三昧の日々を過ごしていた（苦笑）。

　そんな道楽副会長にせがまれ、国内で最も敷居の高いゴルフ俱楽部と言われた関西の超名門コースでプレー出来ないか……？　「中州食品工業さんなら何とかツテあるでしょ」とおねだりされ、運良くプレーする機会を得た。その副会長はムカつくことに「支社長、オレのゴルフ友達も連れてきて良い？」と、ずーずーしくも仕事にはな～んも関係のないゴルフ友達を連れて来たのだ。さすがにそのお友達は恐縮しまくりであったが……。

　そんな田舎のボンボン副会長、ゴルフ道楽が高じて高級車レク○スオーナー達が集うゴルフコンペへも参戦し、見事予選を勝ち抜いて全国大会に出場するのであるが、好事魔多し、さすがに本戦プレー中に強制送還となったのであった（笑）一緒にラウンドしても全く楽しい気分にならないゴルファーであった事も付け加えさせて頂く。

　高級車と言えば、誰もがご存じの富裕層御用達、欧州の最高級車においても同様に、ゴルフ好きのオーナー達が集うゴルフコンペが定期的に開催され、やはり全国大会まであった。

営業マンの血が騒いだこともあったが……

　これまた某エリア（北の方）の支社長時代、エリア最大の歓楽街に所在する「クラブゼロ」は小生が社用で頻繁に利用していたお店だった。ゴルフ大好きな若きオーナーママとは時折、「練習」と称して2人で（ツーサム）ゴルフに行く仲でもあった。嘘か誠か「山笠支社長、あたし独立する時スポンサーなしでこのお店持ったんだよ、偉いでしょ」が最初にラウンドした時の第一声であった。「オトコはこうしてオナゴに騙されてゆくのだな……」と先人達の教訓を思い出しつつ「凄いなぁママ」と思わず身を委ねる様にワナに掛かってしまう小生であった……（汗）

　そんなある夜「クラブゼロ」のママと食事をしている時の事だ。「山笠支社長の会社って○×スーパーとの取引ってどんななの？　あそこのオーナーの息子さんうちのお店もたまに顔出してくれるから今度紹介しよっか、ゴルフすご～く上手でさぁ、ベ○ツオーナーコンペの全国大会で優勝したんだよ」と。

　後日「クラブゼロ」で偶然居合わせたタイミングで紹介された。取引上のパイプの強化もそうだが、誰もがあこがれるヨーロッパの最高級車のオーナーさん達が集うゴルフコンペで優勝する方ってどんなヒト？と妙に興味が湧いてきた。このオーナーの息子さんの肩書きは○×スーパー社長となっていた。このオーナー親子は、このエリアで潰れかかった地元の小売業を次々と買収しディスカウントストアに業態変更させて荒稼ぎしているという投資家親子だ。

　後日、改めて担当者と○×スーパー本社へと表敬訪問に伺った。

　社長室へ通されると話題は専らベ○ツオーナーゴルフコンペの全国大会で優勝した時の話題だ。表彰式では所属している有名女子プロゴルファーも勢揃いしたという華やかさで、表彰式での写真やら、優勝トロフィーやらを見せてもらい大盛り上がりであった。

　それから程なくして、小生は全く別のエリアの子会社へ出向となってしまった。もう1年このエリアを担当していたら……と営業マンの血がプチ騒いだりもしたが、これも転勤族の宿命なのであろう……淡々と後任に引継ぐ小生がいた（苦笑）

　さてさて、次回は、今回のテーマの本題である、なぜ小生がゴルフを好きになれなかったかについて触れていきたいと思う。

（つづく）

＜プロフィール＞山笠太郎（やまがさ　たろう）
三無主義全盛の中、怠惰な学生生活を5年間過ごした後、運良く大手食品メーカーに潜り込む。健康食品事業部に配属され、バブル期を挟み10年。その間に健康食品業界で培った山笠ワールドと言われる独自の世界観を確立。その後社内では様々な部門を渡り歩き47都道府県全ての地に足を踏み入れる事となる。