オムニカ、視機能研究の成果報告 マキベリー由来アントシアニン、臨床試験でピント調節機能を評価
㈱オムニカ(静岡県裾野市、高尾久貴社長)は16日、食品開発展2026の出展者プレゼンテーションセミナーで、マキベリー由来アントシアニンの視機能に関する研究成果を報告した。
同社の高尾社長が登壇し、「マキベリー由来アントシアニン 視機能改善作用の最新報告」と題して講演した。独自原料「マキアルゴス」を用いた臨床試験で、デジタル機器使用後のピント調節に関わる調節状態を評価したところ、プラセボ摂取時との間に統計学的に有意な差が認められたと説明した。
健康成人36人を対象に臨床試験
高尾社長は、スマートフォンやインターネットの利用時間が増加する中、日常的な眼の疲労やピント調節への対応が新たな課題になっていると指摘した。
眼のピント調節には毛様体筋が関わっており、遠くを見る時には毛様体筋が緩み、水晶体が薄くなる。近くを見る時には毛様体筋が収縮し、水晶体が厚くなる。スマートフォンなどを使った近距離作業では、この毛様体筋に調節負荷がかかる。
同社は、マキベリー由来アントシアニンの視機能への影響を検証するため、健康成人36人(20~65歳の男女)を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施した。
試験では、マキアルゴスを1日50mg(総アントシアニン25mg)摂取する条件と、プラセボを摂取する条件を設定。各摂取期間を2週間とし、各期の間に2週間のウォッシュアウト期間を設けた。
評価には、眼のピント調節に関わる調節状態を反映する指標「HFC-1(高周波成分)」を使用した。
被験者は来院時にHFC-1を測定した後、タブレット端末を使って40分間の作業を行い、作業直後に再測定した。その後、アイマスクを着用して10分間休息し、休息後のHFC-1を測定した。
この3回の測定値を用いて、デジタル機器による負荷後から休息後にかけての変化と、負荷前から休息後にかけての変化を評価した。
ピント調節に関する指標に有意差
試験の結果、マキアルゴスを2週間摂取した場合、プラセボ摂取時と比較して、作業後から休息後にかけてのHFC-1の変化量に統計学的に有意な差が認められた(p=0.015)。
また、作業前から休息後にかけてのHFC-1の変化量についても、有意差が認められた(p=0.022)。
高尾社長はこれらの結果について、マキベリー由来アントシアニンを1日25mg、2週間摂取することで、デジタル機器使用後のピント調節に関わる調節状態の回復を助け、眼の疲労感からの回復に寄与する可能性があると説明した。
なお、同試験で評価したのはピント調節に関わる客観的な指標であり、視力そのものの改善を検証したものではない。試験結果をまとめた論文はすでに受理されており、学術誌「薬理と治療」の10月末発行号に掲載される予定である。
ビルベリーとの血中動態を比較
高尾社長は、マキベリー由来アントシアニンの血中動態に関する予備的な研究についても説明した。
同社が実施した予備的なクロスオーバー試験では、健康成人男性5人を対象に、マキベリーエキスとビルベリーエキスの摂取後の血中動態を比較した。
その結果、アントシアニン摂取量を補正したAUC(0~150分:ng分/ml/mg)は、ビルベリーエキスが4.10、マキベリーエキスが5.68となり、マキベリーエキスが約1.4倍の高値傾向を示した。
また、マキベリーに含まれるアントシアニンのうち、3,5-O-配糖化型と3-O-配糖化型では血中濃度の推移に違いがみられ、血中濃度のピークは3-O-配糖化型が摂取後90分、3,5-O-配糖化型が120分だったという。
同社は、こうした血中動態の特徴を踏まえ、先行するビルベリー由来アントシアニンの臨床研究で用いられていた1日40mgに対し、今回の臨床試験では1日25mgを設定したと説明した。
30倍量の安全性試験も実施
安全性については、マキアルゴスの通常摂取量を1日50mgとし、その30倍に相当する1日1,500mgを12週間連続摂取する臨床試験を実施した。
高尾社長によると、尿検査、血液検査などの検査項目において、試験食品に起因する有害事象は確認されなかった。
また、マキベリー由来アントシアニンの血中動態について、継続摂取によって血中濃度が定常状態に達する可能性にも言及した。ただし、定常状態への到達に要する日数については現在調査中としている。
同社は、連続摂取による血中動態と日常的な視機能維持との関係について、今後さらに検証を進める考えを示した。
アントシアニン50%以上に規格化
講演後半では、マキアルゴスの原料調達から製造、成分分析までの品質管理体制を紹介した。
マキアルゴスは、チリ産マキベリーを原料とした精製エキスで、総アントシアニン含有量を50%以上に規格化している。
さらに、総アントシアニン中のデルフィニジン化合物を80%以上、3,5-O-配糖化型アントシアニンを60%以上とする成分規格を設けている。
原料調達では、チリ国内の収穫地域を限定し、契約収穫組織を通じて果実を調達する。収穫後は低温輸送、急速冷凍、選別、冷凍保管を経て、日本国内で抽出・精製する。
製造工程では有機溶媒を使用せず、吸着樹脂による精製などを行い、アントシアニンを高濃度化する。独自製法については特許出願を予定しているという。
高尾社長は、基原原材料、製造方法、成分分析の3つを規格基準として設定し、臨床試験に使用した原料の特徴的な成分組成を再現することの重要性を強調した。
最後に、マキアルゴスについて、原料管理、成分組成、血中動態、臨床試験による機能性評価を組み合わせた素材であると説明。機能性表示そのものを最終目的とするのではなく、継続的な利用につなげることが重要との考えを示した。
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【編集部】
(冒頭の写真:セミナー会場の様子)

