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日銀企業物価指数、前年比6.8%高 農林水産物は大幅下落、飲食料品は上昇続く

 日本銀行が13日に公表した企業物価指数(2026年9月速報)によると、国内企業物価指数(2020年平均=100)は135.7となり、前年同月比で6.8%上昇した。前月比では0.3%低下した。
 前年同月比の上昇率は、この1年間では7月の7.7%が最も高く、8月の7.6%、9月の6.8%と2カ月連続で縮小した。前月比では2カ月連続の下落となった。

 2025年9月の国内企業物価指数は127.1、前年同月比で2.8%上昇だった。高市内閣が発足した同年10月の指数は127.7、前年同月比2.8%上昇。その後、2026年3月には前年同月比3.0%、4月には5.5%、5月には6.8%、6月には7.5%と上昇率が大幅に拡大した。25年9月と26年9月の指数を比較すると、127.1から135.7へ約6.8%上昇している。

 この1年間で特徴的なのは、農林水産物と飲食料品の価格動向の違いである。9月の農林水産物は前年同月比13.3%下落、前月比でも8.8%下落した。これに対し、飲食料品は前年同月比4.2%、前月比0.2%それぞれ上昇した。

農林水産物が下落、米関連品目が押し下げ

 9月の国内企業物価指数の前月比低下に最も大きく寄与したのは農林水産物で、寄与度はマイナス0.42ポイントだった。日銀は主な下落品目として玄米、精米、豚肉を挙げている。

 農林水産物は2025年11月に前年同月比29.8%上昇、12月も26.8%上昇していたが、26年9月には13.3%下落した。前年同月比でみた価格動向は、この間に大きく変化している。
 米価下落の背景には、25年産米の増産、政府備蓄米の放出、割安な輸入米の流通、販売停滞に伴う在庫増加などがあると報じられている。熊本日日新聞が農林水産省のデータとして伝えたところによると、26年8月末の民間在庫は150万トンで、前年同月の1.8倍。比較可能な08年以降の同時期では最多となった。

 また、NHKが報じた農林水産省の調査によると、9月28日~10月4日の全国スーパーにおける米の平均販売価格は5キロ当たり税込み2,860円で、8週連続の下落となった。日銀の企業間取引価格とスーパーの小売価格は異なる統計だが、いずれも米価下落の動きを示している。

 石油・石炭製品も前月比で下落し、寄与度はマイナス0.15ポイントとなった。主な下落品目はB重油・C重油、軽油、ジェット燃料油だった。これに対し、電力・都市ガス・水道はプラス0.08ポイント、プラスチック製品はプラス0.04ポイント、飲食料品はプラス0.03ポイントと、それぞれ指数を押し上げた。

飲食料品、農林水産物とは異なる動き

 飲食料品の企業物価は、農林水産物とは異なる動きを示している。2025年12月には前年同月比5.0%上昇し、26年9月も4.2%上昇した。
 9月の前月比上昇率は0.2%で、国内企業物価全体が0.3%低下する中でも上昇した。日銀は主な上昇品目として、たれ・めんつゆ、ねり製品、スポーツドリンクを挙げている。
 農林水産物が前年同月比で2桁の下落となったのに対し、飲食料品は4%台の上昇を維持した。

ガソリン減税、補助金の影響にも注意
 
 エネルギー価格の動向をみる際には、政府による減税や補助金の影響にも注意が必要である。2025年10月31日、与野党6党の実務者はガソリン税の暫定税率を年内に廃止する方針で合意した。ガソリンについては同年11月13日から補助金を段階的に増額し、12月に暫定税率分に相当する1リットル当たり25.1円まで引き上げた後、年末に暫定税率を廃止した。軽油引取税の暫定税率についても、26年4月1日に廃止した。

 日銀の国内企業物価指数は原則として揮発油税などの個別間接税を含む価格を対象とする。このため、石油・石炭製品の価格動向をみる際には、原油価格の変動と税制変更を区別する必要がある。ただし、今回の公表資料から、減税による国内企業物価指数全体への押し下げ幅を算出することはできない。
 政府は2026年7~9月使用分の電気・ガス料金についても値引き支援を実施している。
 
輸入物価は前年比24.5%上昇

 輸入物価指数は円ベースで前年同月比24.5%上昇し、前月比では0.2%低下した。2025年9月は前年同月比1.2%下落したが、2026年3月には8.3%上昇、4月には21.7%上昇、6月には30.6%上昇まで拡大した。その後、7月は29.3%、8月は25.1%、9月は24.5%と上昇率がやや縮小した。

 9月の輸入物価を契約通貨ベースでみると、前月比1.0%上昇した。主な上昇寄与は石油・石炭・天然ガスで、液化天然ガス、ナフサ、ジェット燃料油などが挙げられている。

 輸入物価のうち「飲食料品・食料用農水産物」は円ベースで前年同月比6.2%上昇したが、前月比では1.2%低下した。輸出物価指数は円ベースで前年同月比17.9%、前月比0.5%それぞれ上昇した。契約通貨ベースでは前月比1.4%上昇した。

【田代 宏】

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