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訪問販売のネット起点増加 消費生活相談の動向分析結果公表

 消費者庁はこのほど、全国の消費生活センター等に寄せられたPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)の相談データを整理・分析した「PIO-NETデータを用いた訪問販売等に関する分析調査報告書」を公表した。本調査は、東京大学エコノミックコンサルティング㈱(東京都文京区、川原田陽介社長)が受託し、大規模言語モデル(LLM)を活用して詳細な分析を行っている。特定商取引に関する法律(特定商取引法)に基づく制度の在り方を適切に検討していくための基礎資料として、消費生活相談の実態を多角的に読み解いた内容となっている。

 特定商取引法は、販売方法等が有する特殊性に着目し、消費者被害が生じやすい取引類型について規制を設けることで、取引の公正及び消費者の被害防止を図っている。しかし、消費者被害を引き起こす取引の内容は多種多様であり、時代の変化に応じてその態様も刻々と変化している。そのため、制度の適切な検討には消費生活相談の実態を的確に把握し、必要な分析を行うことが重要視されている。今回の調査では、訪問販売及び連鎖販売取引を中心に、法改正等の要因によって相談内容にどのような変遷が見られるか、どの分野でどのようなトラブルが生じているかが明らかにされた。

 分析手法としては、PIO-NETに登録された消費生活相談データの自由記述を含むテキストデータを整理した上で、大規模言語モデル(LLM)による自動分類が採用された。LLMを用いることで、単純なキーワードの有無では判別が困難であった相談類型についても、相談文全体の文脈や記述の流れを踏まえた高度な分類が可能となっている。なお、取り扱うデータの機密性に配慮し、インターネットへの接続を不要とするローカルLLMモデル(gpt-oss-120B)を用いて分析が行われたほか、自動分類の結果に対して人手による確認・補正を行うことで、分類の妥当性を担保している。

 報告書によると、訪問販売に関する相談の起点を2015年度と2024年度で比較したところ、きわめて大きな変化が確認された。2015年度には「広告等を経由せず事業者が来訪」が82.7%を占め、飛び込み訪問や知人からの紹介といった従来型の対面接触が主流だった。これに対し、2024年度には「インターネット広告を見て来訪要請」が36.3%へと急増し、非対面でのデジタル接点を起点としたトラブルが急増している。
 インターネット広告をきっかけとする相談の業種上位では、「衛生設備」が23.7%で最も多く、次いで「役務その他」が21.6%、「衛生サービス」が11.3%、「他の住宅設備」が8.5%、「戸建住宅」が7.7%と続いている。こうしたインターネット広告をきっかけに店舗等へ来訪要請された場合の相談内容の内訳を見ると、「価格に関するトラブル(値段が想定より高い等)」が70.3%、「勧誘手法に関するトラブル(強引な勧誘等)」が31.5%、「契約書面に関するトラブル(書面不交付等)」が30.9%に上った。特に「○円~」などの広告表示を見て依頼した消費者が受ける請求金額の分布に関する分析では、想定を大きく上回る高額な請求が行われている実態が示された。さらに、契約後に解約やクーリングオフを申し出ようとした際のトラブルとして、「手続的妨害・履行の遅延」が16.4%と最も高く、次いで「解約権に関する不実告知」が8.7%、「高額な解約料等の請求」が8.0%、「解約権に関する威迫・困惑」が3.4%確認された。

 また、マルチ商法(連鎖販売取引)に関する分析では、契約時には商品や役務の売買のみを装い、後から紹介料などの特定利益を告げる、いわゆる「後出しマルチ」に該当しうる相談の存在も明らかになった。

関連資料:PIO-NETデータを用いた訪問販売等に関する分析調査報告書の公表について(消費者庁ホームページへ)

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