残留農薬10品目を報告 食品衛生基準審、再評価など受け基準設定
消費者庁は26日、2026年度第2回「食品衛生基準審議会」を開催し、農薬・動物用医薬品10品目の食品中の残留基準設定について報告した。農薬取締法に基づく再評価や適用拡大申請、国外で使用される農薬の残留基準設定要請などを受け、農薬・動物用医薬品部会で審議したもので、いずれも設定する基準値案に基づく暴露評価で、人の健康に悪影響を生じる恐れはないと評価した。
今回報告したのは、5月19日の同部会で審議したイミダクロプリド、クロロタロニル、トルフェンピラド、ピリフルキナゾン、ボスカリドと、7月14日に審議したクロラントラニリプロール、1,3-ジクロロプロペン、チアジニル、チオベンカルブ、フェナザキンの計10品目。
イミダクロプリドなど5品目
農薬と動物用医薬品として使用されるイミダクロプリドについては、農薬取締法に基づく再評価に係る食品健康影響評価や適用拡大申請、国外で使用される農薬などに係る残留基準設定要請を受けて審議した。用途は殺虫剤、寄生虫駆除剤。国内では農薬として米、小麦などを対象作物に登録され、動物用医薬品として全畜産動物を対象に承認されている。
食品安全委員会による食品健康影響評価を踏まえて長期と短期の暴露評価を行った結果、食品を介した摂取によって健康に悪影響を生じる恐れはないと評価した。
クロロタロニルは殺菌剤で、農薬の再評価などを踏まえて審議。トルフェンピラドは殺虫・殺ダニ剤で、適用拡大申請に伴う基準値設定要請を受けた。ピリフルキナゾンは殺虫剤で、もも、ブルーベリーへの適用拡大申請、ボスカリドは殺菌剤で、だいこんへの適用拡大申請に伴ってそれぞれ残留基準を検討した。
いずれについても設定する基準値案に基づき長期、短期の暴露評価を行い、食品を介した摂取によって健康に悪影響を生じる恐れはないとした。文字起こしでも、部会では報告書の記載整備に関する指摘はあったものの、大きな論点はなく、規制対象物質や暴露評価対象物質の選定にも特段の問題はなかったと報告された。
WTO通報受け基準値を再検討
7月14日の部会では、クロラントラニリプロールなど5品目について審議した。
殺虫剤のクロラントラニリプロールは、適用拡大申請などに伴う基準値設定要請を受けたもの。同品目はすでに審議会へ報告していたが、WTO通報の結果、大豆についてブラジルから意見が提出されたことを踏まえ、改めて基準値を設定して暴露評価を行い、今回、再度報告した。
食品安全委員会による食品健康影響評価では、1日摂取許容量(ADI)を体重1kg当たり1.5mgとし、急性参照用量(ARfD)は設定する必要がないとした。設定する基準値案による長期暴露評価では、いずれの年齢区分でもADIの範囲内だった。
1,3-ジクロロプロペン、チアジニルについては、農薬取締法に基づく再評価に係る食品健康影響評価などを踏まえて審議した。
チオベンカルブについても、WTO通報を受けて米国から意見が提出されたことから、基準値案を改めて設定して暴露評価を行い、審議会へ再報告した。
フェナザキンを含むこれらの品目についても、長期、短期の暴露評価などから、食品を介した摂取によって健康に悪影響を生じる恐れはないと評価した。
10品目について部会側からは、規制対象物質や暴露評価対象物質の選定に特段の問題はなく、暴露評価の結果から残留基準値案は適切との見解が示された。審議会では委員から特段の意見は出なかった。
サプリ規制の検討状況も報告
このほか、2018年の食品衛生法改正の施行後5年を目途とした検討の取りまとめについて、サプリメントに関する規制のあり方の検討状況を報告した。
事務局は、厚生労働省が所管する会議と、消費者庁が所管する食品衛生関係の会議で検討を進めてきた経緯を説明。健康被害情報の報告や営業の許可・届出などについて検討してきたとした。
また、新開発食品調査部会で行ってきたサプリメントの規制や製造管理のあり方に関する検討については、食品衛生基準審議会への正式な諮問に基づくものではないと説明した。その上で、今後、実際に規制を行う場合には、同審議会に諮問することになる可能性があるとの考えを示した。
【田代 宏】
関係資料はこちら(消費者庁HPより)

