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トレンドから「科学的習慣」への転換 腸活、次世代ウェルネスのスタンダード化へ向けて

 かつて一部の健康意識が高い層のものだった「腸活」は、いまや国民的な習慣として広く一般化した。整腸効果を持つ機能性食品や検査サービスを含む国内の腸内環境改善関連市場は、2030年に4,181億円に達すると予測されている。しかし、市場の急拡大の裏で「科学的根拠(エビデンス)」の重要性が改めて問われている。市場の現在地、研究者から見た課題、そして市場を牽引するフロント企業の動向から腸活市場を追う。

拡大し続けるお腹のケア、多様化する消費者の目的

 ㈱富士経済(東京都中央区、菊地弘幸社長)のセルフヘルスケア市場の最新トレンドデータ2025によると、整腸効果を持つ医薬品、機能性食品、および腸内環境検査サービスを含む「腸内環境改善関連」の国内市場は、非常に堅調な成長を続けている 。すでに4,000億円超の市場となっているが、2030年には4,181億円(2024年比106.4%)に達すると予測されている。
 この成長を牽引しているのは、ヨーグルトやドリンク類の食習慣が定着している層に加え、サプリメントによる便通改善ニーズの開拓、そして短鎖脂肪酸などの新素材展開。特に腸内環境検査サービスに関しては、健康経営を掲げる企業や自治体での導入が進むほか、大手食品メーカーによるパーソナライズサービスへの参入など、新たな活性化の兆しが見られる。
 消費者の意識にも大きな変化が起きている。㈱矢野経済研究所(東京都中野区、水越孝社長)の分析によれば、かつての「便秘解消」といった直接的な悩み解決だけでなく、免疫維持、メンタルヘルス、美容効果といった「腸活の先にあるベネフィット」を求める層が急増。機能性表示食品における「免疫訴求」市場は特に急成長しており、2025年の見込みは356億6,000万円(前年比123.8%)に達する見通しだ。30~40代女性をコアターゲットとした「腸美容」を掲げるブランドのように、プロテイン等と組み合わせて「美と健康を維持する」具体的なベネフィットを提案する製品が好調だ。腸活はもはや単なる「お腹のケア」ではなく、全身の健康を司る「総合的なコンディショニング」の一環として市民権を得たと言える。

世代で分かれるスタイル、購買行動から見る対象

 矢野経済研究所の2025年11月の調査によると、サプリメント摂取目的として「整腸・便通改善・腸内の健康維持」を挙げた人の割合は全体で1~2割程度だが、ターゲット層には明確な違いが見られる。男性は60代以上(21.1%)、女性は20~30代(20.9%)で2割を超えており、特定の層で高い需要が維持されている。
 一方で、購買行動には顕著な乖離が見られる。20~30代女性はドラッグストアや店舗での購入が中心であり、コストパフォーマンスに加え「飲みやすさ(粒の大きさ・溶けやすさ)」を重視する傾向がある。これに対し、60代以上は健康食品メーカーの直販サイトや通販を利用する割合が高く、成分の配合量やメーカー名への信頼を重視する傾向が強い。企業はこうしたターゲットの細分化に合わせて、製品設計やチャネル戦略を最適化する必要がある。(『Wellness Monthly Report』2026年7月号より転載。)

【藤田 勇一】

(続きをお読みいただけるのはWNG会員のみです。残り約3,119文字。会員申込はこちら。全文の閲覧は「会員ページ」の「月刊誌閲覧」内「Wellness Monthly Report」2026年7月号(第97号)特集「拡大続く腸活市場~見えてきた課題と今後の展望」から)

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