海外・国内ネット販売品に医薬品成分 厚労省が健康食品を買上調査、結果を公表
厚生労働省は6月30日、2023年度に国内外のインターネットにおいて行った「健康食品」の試買調査の結果を公表した。海外で販売されている15製品から、国内で販売されている1製品から医薬品成分が検出された。
海外サイトで購入された健康食品の実態
厚生労働省は、2023年7月~9月にかけて、海外インターネットサイトで販売されている健康食品および海外製医薬品の実態を把握するため、計86製品(健康食品58製品、医薬品28製品)を買い上げ、分析調査を実施した。その結果、健康食品のうち15製品(強壮系9製品、痩身系6製品)から、医薬品成分が検出された。
強壮系製品からは、シルデナフィル、タダラフィル、ノルタダラフィル、ヨヒンビンが、痩身系製品からは、シブトラミンおよびオリスタットが検出された。これらの物質は、適応症がある一方で、頭痛、動悸、血圧上昇、循環器障害などの副作用リスクがある。
一方、買上対象となった28製品の海外製医薬品からは、表示と異なる成分は検出されなかった。ただし、成分の安全性や品質が保証されたものではなく、使用には注意が必要。
国内ネット販売品でも医薬品成分検出
厚生労働省は、同8月~10月にかけて、全国39道府県と連携し、日本国内に所在する事業者によってインターネット販売されている健康食品等を対象にした無承認無許可医薬品等の買上調査を実施した。調査対象は計154製品(強壮系124製品、痩身系30製品)で、このうち1製品から医薬品成分の「テトラカイン」が検出された。
同品は、茨城県で販売されていた「遅延用ウェットティッシュ 拭くだけ簡単 20枚入り」。1枚当たり8mgのテトラカインが含有されていた。同成分は麻酔作用を持ち、ショックや意識障害、めまいといった重篤な副作用を引き起こす可能性がある。
サイトはすでに閉鎖 使用中止を呼び掛け
違反製品の販売サイトは、調査結果の公表時点ですでに閉鎖されていることが確認されているが、同品を所持する消費者には使用を直ちに中止するよう呼び掛けている。健康被害が疑われる場合には医療機関への受診を推奨している。
【編集部】