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室町ケミカル、健康食品事業から撤退 ゼリー製剤の受託製造、来年3月末に終了と発表

 東証スタンダード上場企業の室町ケミカル㈱(福岡県大牟田市、青木淳一社長)が健康食品事業から撤退する。スティックタイプ等のゼリー製剤の受託製造を15年以上前から手がけてきたが、来年3月末をもって製造を終えることを13日開催の取締役会で決議、同日夕に発表した。「原材料費や動力費が高騰する中で、多様化する開発案件に対するコスト増や製造量が安定化しないことなどにより収益改善の限界も見えてきた」と、撤退理由を説明している。

売上高好調も収益改善見込めず

 16日から顧客への説明を本格的に始めた。事業撤退完了までのスケジュールについては、来年3月末をもって製造を終了、翌4月末に販売を終了、そして翌5月末に撤退を終える予定を同社は示している。新規の案件は受け付けないという。

 同社は、健康食品ゼリー製剤の受託製造大手。事業撤退によって、同社へ製造委託していた先に影響が生じる可能性がある。健康食品市場では現在、ゼリー製剤の需要が高いとされる。同社が製造を終える来年3月末以降、ほかの受託製造を手がける企業の製造ラインに十分な余裕があるかは見通せない。

 同社の発表によれば、同社の健康食品事業の売上高は、一時的な落ち込みを除けば好調に推移していた。2021年5月期の売上高は約8億円。それが今期の25年5月期は10億4,300万円の見込みと、2割以上の伸びを示していた。好調要因について同社は、「新規の顧客の開拓に注力し、その中から新規の大型OEM品の取り扱いが始まった」こともあるとする。

 一方で、経常利益は、マイナス続きだった。23年5月期は1億2,000万円を超える経常損失を計上。今期も、1億円の損失が見込まれるという。そうした中での原材料費をはじめ燃料費などユーティリティコストの高騰。また、規制強化の方向に制度が改正された機能性表示食品を中心に製品開発・製造のハードルが高まったことなどもあり、「収益改善の限界が見えてきた」と判断したとみられる。

 同社は今後、健康食品事業からの撤退で確保される経営資源を、大きな成長が見込める医薬品事業と化学品事業へ投下する。それによって、「企業価値の向上を図ってまいります」としている。

【石川太郎】

(冒頭の写真:同社ウェブサイトに公開された健康事業からの撤退等を伝えるIR資料)

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