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レプリコンワクチンは安全か?(中) Meiji Seikaファルマ 田前雅也執行役員に聞く

臨床試験の妥当性に疑問符(上医師)

 郷原信郎弁護士が運営するYouTubeチャンネル「日本の権力を斬る!」では、臨床試験の実施規模やその期間、注射の薬剤容器1バイアルに16人分を充填したことの妥当性を疑問視している。
 上昌弘医師は郷原氏との対談で、ワクチンの臨床試験において安全性は重要だと説く。臨床試験で安全性を見るためには「大規模かつ長期間見ないといけない。普通は開発してから10年かかる。そうしないと副作用をコントロールできない」と語っている。
 新型コロナ感染症の流行拡大時、米国政府は見切り発車でファイザー社とモデルナ社のワクチンを承認した。その時はリスクとベネフィットを天秤にかけることにより、ある程度コントロールできたが、すでに既存のワクチンが存在する段階で、しかも体内で自己増殖する新たなワクチンであるにもかかわらず、短期間の臨床試験で開発するのは副作用に対する安全性が確保できてない恐れがあるため、「医学的に誤り」と指摘している。

国が承認したワクチンに誇りを持っている(田前氏)

 これに対してMeiji Seikaファルマの田前雅也執行役員は、上医師の考えに対して異論を挟む立場ではないとしつつこう答えている。

 「国からきっちり評価してもらって承認をいただいている。国が承認を出してくれたものに対して、我々がどうこう言えるものでもない」と、レプリコンワクチンの正当性を主張。
 根拠として、1万6,000例のベトナムの症例をもって有効性と安全性が認められたこと、日本でも変異株で臨床試験を実施しており、ヨーロッパではベトナムと日本における臨床試験のデータをセットで申請し実際に承認されている点を挙げ、「それぐらい質の高い臨床試験を行って承認を取得しているわけだから、我々はその事実をもって、レプリコンワクチンをきっちりと使っていただけるというだけの評価がされていると捉えている」と説明している。

 拙速とも言われるワクチンの承認申請に関して、国との間で特別な取引があったのではないかという疑問にも答えた。

 「国産ワクチンの生産供給を日本国内で、しかも自己完結で行うことのできる体制は極めて重要だという考えが国の中にあるというのは紛れもない事実だと思う。我々も全面的に協力してそれを実現させたということだから、日本の公衆衛生のために大きな貢献ができたというふうに誇りに思っている」、「新たなパンデミックが起きた時に、外国産のワクチンを日本に優先的に供給してもらえる保証はない。そういう意味からも国産ワクチンを供給できる体制を整えておくことが政策的にも重要なのではないか」と国産ワクチンの意義を語った。

10月以降、2ドーズ1バイアルを準備

 16人分1バイアルの問題については、郷原弁護士らが「最初から売る気がなかったのではないか」と指摘していた。
 これについては、結果的に販売戦略の失敗だったことを認めた。開発時は集団接種を前提にしていたが、開発途中で予防接種の環境が変化したという。そのため、今年10月から始まる定期接種のシーズンには、1容器に2人分を充填した2ドーズ1バイアルのワクチンを間に合わせるように続きを進めている最中としている。

 3月7日、福岡資麿厚生労働大臣の定例会見で、レプリコンワクチン接種後の死亡例3件のうち2件の死亡日が不明となっている事案が取り上げられた。調査の経緯について記者が尋ねたところ、福岡大臣は「製造販売業者が引き続き調査を継続しているものと承知しており、現時点で死亡日については把握していない」と答えている。

死亡日は判明次第中間報告で公表予定

 Meiji Seikaファルマに死亡日調査の進展について確認した。

 不明の2例についてはこれまでにも発表されているとおり、ワクチンの摂取後に老人保健施設で亡くなっている。ワクチンを摂取した医師と看取った医師が異なるケースでは、因果関係の判断が極めて難しいという。
 「よほど連携していただかないと判断がつかない中、私どもは何度も接種した先生に出向き、施設の担当医の方と確認の上、因果関係だとか、死亡日だとかをきっちり確認してくださいと伝えてきた。担当MRだけでなく、支店長まで足繫く通い、お願いしてきた」とこれまでの経緯を述べ、因果関係を確認することの困難な点に理解を求めた。
 その上で、同社が月に1度の割合で公表している市販直後調査に言及。前回の発表は3月12日に行われた第5回中間報告に当たるが、調査に進展があれば中間報告で公表することになると説明した。今月行われる6回目の中間報告を注視したい。

(つづく)
【田代 宏】

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