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血管ケア含め3機能で届出サポート 【機能性表示食品特集】エラスチンめぐり林兼産業

 機能性関与成分としての届出件数が累計で20件(6月21日時点)を数えるようになったカツオ由来エラスチンペプチド。カツオ(鰹)の動脈球(=血管の一部)を原材料とするもので、食品メーカーの林兼産業㈱(山口県下関市、中部哲二社長)が製造販売および届出サポートを一手に手掛けている。同社が研究レビューを通じて行えるようにしたカツオ由来エラスチンペプチドのヘルスクレームは、膝関節のサポート、肌の健康維持、そして血管の柔軟性ケアの3つ。血管をめぐる機能性表示が可能になった影響で届出件数が伸びている。

血管の健康ケア市場、創出けん引するか

 現在、血管をめぐりカツオ由来エラスチンペプチドについて届出が進められているヘルスクレームは2種類。「加齢とともに低下する血管の柔軟性(血管を締め付けた後の血管の拡張度)維持に役立つ機能が報告されています」と「加齢とともに低下する血管のしなやかさ(血管を締め付けた後の血管の拡張度)維持に役立つ機能が報告されています」の2つだ。血管の「柔軟性」と表現するか、あるいは「しなやかさ」とするか、どちらか選択できるようになっている。

 同様のヘルスクレームが初めて届け出されたのは2020年11月。植物由来の機能性関与成分(プロシアニジンB1及びB3)が先鞭を付けて以来、血管ケア領域の届出件数は現在までにおよそ30件に達した。複数の機能性関与成分について同様のヘルスクレームが行われているが、届出件数最多はカツオ由来エラスチンペプチドで14件(6月21日時点)。同成分とともに、GABAや納豆菌由来ナットウキナーゼを機能性関与成分にすることで、高めの血圧に対する機能性を同時に訴求する届出もみられる。

 林兼産業によれば、カツオ由来エラスチンペプチドについて現在可能なヘルスクレーム3種のうち、業界の関心が最も高いとみられるのは血管ケアだ。「届出に向けた準備が進められている製品は他にもあり、(同成分は)今後、血管に対する機能を軸に広がりを見せるはず」だと同社の担当者は強調。「もしかしたら、(血管の健康ケアという)新しい市場を創出できるかもしれない」という。

1日必要摂取量が強みか 75mgと100mg下回る

 機能性関与成分としてのカツオ由来エラスチンペプチドの強みについて同社は、「1日あたり必要摂取量の少なさと、配合可能な最終製品の幅広さ」だとする。研究レビューに基づく1日あたり必要摂取量は75ミリグラムと100ミリグラムを下回る。これは血管ケア以外の膝関節サポート、肌の健康維持でも同様だ。また、同素材を配合可能な最終製品については、「原材料に独特の魚臭を脱臭処理で除去しているため、気になるような風味がなく、水溶性にも優れる。その上で配合量が少なくて済む。そのためタブレットなどのサプリメント形状からパウダーやドリンク類まで配合しやすい」(同)という。実際、最近では同成分を配合した青汁の届出が行われた。

 カツオ由来エラスチンペプチドについて可能な血管ケア以外のヘルスクレームを見ると、血管ケアに次いで引き合いが多い肌の健康については「肌の弾力を維持し、肌のうるおいを守ることで肌の健康維持に役立つことが報告されています」、膝関節サポートは「膝関節の動きをサポートし、軽い違和感を和らげる機能が報告されています」となっている。

 「当面は3つのヘルスクレームを軸に提案を進める」と同社。ただ、カツオ由来エラスチンペプチドの機能性をめぐっては他にも論文発表されているものがある。時間はかかるにせよ、今後、4つ目の機能性表示が可能になることもありそうだ。

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