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機能性表示食品「届出表示」のなぜ?~質問相次ぐ

機能性表示食品の届出公表件数が、12月11日時点で3,550件となった。とくに今月、そのペースが加速しており、11月の61件に対して、18日時点で77件が公表されている。

<機能性関与成分「γ-オリザノール」のなぜ?>
12月に公表された商品に関して、ある質問が相次いでいる。その1つが、SBIアラプロモ㈱の機能性表示食品『発芽玄米の底力』(届出番号:F583)について。同品は「GABA」と「γ-オリザノール」を機能性関与成分としており、「本品はGABAを含みます。GABAは、血圧が高めの方の血圧を下げる機能が報告されています。また本品は、血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されている成分を含みます」と表示している。

商品の表示見本を確認したところ、成分名の明記はあるものの、届出表示には「GABAは」との表記はあるが、「γ-オリザノール」の成分名はない。読者からは、「(γ-オリザノール)が『専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト』で、高脂血症にも適用があるため成分名を外したのか」との質問があった。

消費者庁は、「制度上の問題ではなく、企業側の意向。違反には該当しないため届出を受理した」と回答。
一方、SBIアラプロモ社は、「薬機法に抵触するおそれがあると判断したため、届出表示に「γ-オリザノールは」とは書かなかった。機能性関与成分名は、機能性表示食品の届出ガイドラインに従い掲載した」と述べた。

厚労省監視指導・麻薬対策課は、「明らかに薬機法に抵触するような表現でなければ、ヘルスクレームや表示内容だけでは判断できない。広告表現などを含めて総合的に判断する必要がある」とした。
また、東京都保健局の薬務課は取材に対し、「あくまでも一般的な考え方として、機能性表示食品として届け出された商品であるため、医薬品とは判断しない」と回答した。

<SRによる届出のなぜ?>
もう1つの質問が、システマティック・レビュー(SR)に基づく機能性表示食品の届出で、「報告されています」ではなく「機能があります」とした届出が公開されたということに対して。

商品は、「N-アセチルグルコサミン」を機能性関与成分とした、日本水産㈱の加工食品『さっと飲めるN-アセチルグルコサミン』(届出番号:F537)と『かんで食べるN-アセチルグルコサミン』(届出番号:F538)。「本品には N-アセチルグルコサミンが含まれます。N-アセチルグルコサミンは、歩行や階段の上り下りにおけるひざ関節の悩みを改善し、関節軟骨成分の分解を抑えることで関節軟骨(※)の維持に役立つ機能があります。 ※関節軟骨は膝・足首・肘・手指などの関節に存在します」と表示している。

言うまでもなく、これまでに公開されたSRに基づく届出では、「報告されています」が一般的に使われてきた。実際、「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」によれば、「機能性関与成分に基づく科学的根拠なのか、当該成分を含有する食品(最終製品)に基づく科学的根拠なのか、その科学的根拠が最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)に基づくものなのか、研究レビューによるものなのかが分かる表現にする」とある。さらに、「研究レビューによる場合は、報告されているということが明確になる表現とする」とある。

このケースについて、消費者庁表示企画課に取材を入れたところ、ガイドラインに沿った届出が望ましいとしながらも、「現時点では、明らかな違反には該当しないため届出を受理した」、「疑義を含め、今後何らかの動きがあった際は対応するが、あくまでも現時点では問題ない」と説明した。

※F537及びF538は2020年12月25日付で撤回していることが判明。

【藤田勇一】

関連記事:【続】機能性表示食品「届出表示」のなぜ?(前)
【続】機能性表示食品「届出表示」のなぜ?(後)

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