小野薬品子会社、機能性表示食品を届出
医薬品大手の小野薬品工業(大阪市中央区)が、今年2月に設立した子会社を通じてサプリメント市場に参入する。24日、同子会社が初めて届け出た機能性表示食品の届出情報を消費者庁が公開。睡眠や眠気に対する働きを訴求するものだった。
届け出たのは小野薬品ヘルスケア㈱(大阪市中央区、野田康成社長)。今年2月に小野薬品の100%子会社として設立された。健康食品や機能性表示食品に関する事業を展開するヘルスケア企業だ。
同社が届け出たのは、『REMWELL(レムウェル)』を商品名とするサプリメント。公開された届出資料によると、製造は、OEMメーカーの中日本カプセル㈱(岐阜県大垣市)が担当する。
同商品の届出表示(ヘルスクレーム)は次のとおり。「一時的に睡眠に不満を感じている健康な方の深睡眠とレム睡眠の割合を増加させることで、睡眠の質を向上させる機能があります。さらに、一時的に活気・活力が低下している方の不安感・緊張感・気分の落ち込みを和らげ、一時的な活気・活力の向上と日中の眠気の軽減に役立ちます」(一部抜粋)。
最終商品の臨床試験論文を科学的根拠として届け出た。眠りの浅い状態を指すレム睡眠に対する機能性を訴求する届出は今回が初となる。
また、機能性関与成分にも新規モノが含まれる。同商品の機能性関与成分は、DHA、EPA、DAGE(ジアシルグリセリルエーテル)の3成分。このうちDAGEが新規成分で、原材料は精製深海サメ肝油。一方、DHA、EPAの原材料は、DHA・EPA・リン脂質含有イクラオイルとされている。
小野薬品は、小野薬品ヘルスケアの設立発表時(今年2月)、同社の設立目的について、「医療用医薬品の研究開発で当社が培ってきた資産を最大限に生かし、ヘルスケア分野において健康食品・機能性表示食品事業を展開することで、健康寿命の延長と持続可能な社会に貢献していきたい」とのコメントを公表していた。
【谷山 勝利】