ナンバーワン表示について調査 「信頼できる」と3割が回答、「効果ない」12%
「○○のNo.1」、「満足度No.1」などのナンバーワン表示はどう受け止められているか?特定適格消費者団体の(特非)埼玉消費者被害をなくす会(さいたま市浦和区、池本誠司理事長)が10代~80代の男女599人を対象に、インターネットフォームでアンケート調査を行った。
ナンバーワン表示を見たことがあると回答した人は全体の84%に上った。表示の周辺に記載されている小さな文字を「よく読む」と答えた人が130人(26%)、「あまりよく読まない」284人(56%)、「読まない」85人(17%)と続いた。
商品の購入、サービス受取の際に同表示を参考にするか?
「よく参考にしている」75人(13%)、「たまに参考にする」216人(38%)、「あまり参考にしない」162人(29%)、「全く参考にしない」113人(20%)だった。
また、同表示を参考にすると回答した人のうち、表示周辺の小さな文字をよく読むと答えた人は99人、「読まない・あまり読まない」189人だったのに対して、参考にしないと答えた人では「よく読む」35人、「読まない・あまり読まない」229人だった。
61%が「インターネット広告」で見た
ナンバーワン表示がある広告を目にする媒体としては、インターネット326人(61%)、テレビ318人(60%)、新聞242人(46%)、商品パッケージ195人(32%)、ポスティングチラシ160人、動画配信サイト125人、中吊り117人、看板66人、ラジオ53人と続いた。
同表示が信頼できるかどいうかを聞いた。
「全く信頼できない・あまり信頼できない」と答えた人は7割に達した。
同表示を参考に商品を購入したり、サービスを受けたりした結果について感想を聞いた。
「トラブルになった」という人が2人、「購入・契約したことを後悔した」人が36人だった。他方「信頼できると思った」人も54人(10%)で、「書いてある効果などはない」71人(12%)、「そのような経験はない」361人(69%)だった。
また、不満を持ったナンバーワン表示には、商品の効果効能を示すものが多かった。
消費者へ注意喚起、メディアへも要望
なくす会では、ナンバーワン表示に対して「とても信頼できる」、「どちらかといえば信頼できる」という回答が全体の約3割あったのに対し、表示周辺の小さな文字をよく読んでいる人が3割に満たないことを問題視。「漠然とナンバーワン表示に影響を受けた消費行動をとっていることが読み取れる」と分析している。
表示を参考にして商品を購入した結果、「書いてある効果などないと感じた」という消費者の感想にも注目。「景品表示法上の優良誤認に当たる広告が含まれている可能性がある」と指摘している。
ナンバーワン表示には、実績調査のように実際に売上から導き出す数値や購入した消費者を対象としたアンケート結果による「公正な調査」と、実際に購入したかどうかを条件にしない「イメージ調査」によるものが混在しているとし、消費者に対して注意喚起している。
同会はメディアへの要望として、テレビCMや新聞広告の注意書きの文字を大きくし、テレビ通販では注意書きの表示時間を長くするなどの消費者への配慮を求めている。
【田代 宏】
埼玉消費者被害を なくす会のホームページ