1. HOME
  2. 通販
  3. クロ現、ダークパターンをテーマに ステマ検討会委員のカライスコス氏がゲスト出演

クロ現、ダークパターンをテーマに ステマ検討会委員のカライスコス氏がゲスト出演

 きのう3日放送のNHK「クローズアップ現代」では、インターネット通販などで問題になっている「ダークパターン」をめぐるトラブルを取り上げた。ゲストに消費者庁の「ステルスマーケティングに関する検討会」で委員を務めたことのあるカライスコス アントニオス氏(龍谷大学法学部教授)を招き、その現状と対策について話を聞いた。

 ダークパターンには、①ユーザー登録や個人情報の開示を強要する「強制」、②定期便の契約を促すような「インターフェース干渉」、③通知や位置情報の取得など事業者に都合のよい設定に変えるように何度も要求する「執拗な繰り返し(ナギング)」、④解約の方法を分かりづらくさせるなどの「妨害」、⑤取り引きの最後で気付かないうちに手数料を追加したりトライアル期間後に自動で定期購入に移行する「こっそり(スニーキング)」、⑥“現在13人が見ています”など他の消費者のウソの感想や行動などを通知する「社会的証明」、⑦ウソのカウントダウンタイマーや“在庫が少ない”“需要が高い”などの表示で消費者に焦りを与える「緊急性」――の7パターンがあるとし、被害者のコメントを交えながらその手口を紹介した。

 番組ではEUや韓国、インドなどで進むダークパターンへの規制の動きを紹介するとともに、日本における規制に向けた動きの鈍さを対比した。

 「後付けの立法が我が国の流れ」とするカライスコス氏は、「本来、諸外国のような包括的な規制の動きが理想的」としながらも、日本では営業の自由を侵害しているという業界からの反発があり、立法を進める際にも多くのコンセンサスを得なければならない点などから、欧米のような規制は難しいと指摘。
 その上で、「我が国では、国が大枠を定めて技術的な詳細や具体的な内容については自主ルールやガイドラインに委ねる共同規制の手法がなじみやすい」と説明した。

 番組ではまた、我が国の企業がダークパターンについてどのように考えているのか、ネットサービスを運営する主要30社に対するアンケート結果の一部も紹介した。回答の中には、「ダークパターンの定義があいまい」、「自主規制では対応する企業が不利益を被る」などの対応の難しさが明らかになったという。
 一方、サービスの信頼感を高めるために、ダークパターンへの対策が企業ブランドになるとして積極的に対応する企業の動向も伝えた。

 カライスコス氏は、ダークパターンを防ぐための有効な手段として、認定マークなどを活用すること、また、ダークパターンをたくさん使っている事業者とそれを使わないようにしている優良な事業者のリストを作成するなどし、消費者が判断する材料を提供しそれらを消費者が実生活でうまく活用することを提案した。

 同氏は消費者に対するアドバイスとして、「(サイトを)疑ってかかること」、「証拠を残すこと」はもとより、泣き寝入りすることなく「ハッシュタグなどを付けて、SNSなどで発信する勇気を持つこと」が大事とした。さらに消費者ホットライン「188」の活用も推奨した。

 次回放送のクローズアップ現代では、小林製薬㈱の「紅麹関連製品」回収問題を取り上げる。「小林製薬『紅麹』で何が 原因は?影響の広がりは?」というテーマで、8日(月)午後7時30分放送予定。

【田代 宏】

(冒頭の画像:クローズアップ現代HPより)

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ