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ウィズコロナで通信販売はこうなる!~「STAY HOME」が招いた業界変動を徹底討議(4)

<ワンステップを好む事業者とツーステップを好む消費者>

松清 ツーステップマーケティングからワンステップマーケティングになり、また再びツーステップマーケティングに戻りつつあるということですね。

山本 100億円までは届いてなくても、事業リスクと真剣に向き合いまじめに商売する事業者が増えているという印象です。

北川 CRMの観点から言うと、手間もかかりますし当社では圧倒的にワンステップマーケティングが多いです。当社の場合は中小企業が多く、少数で事業されている方が多いのも要因の1つです。また、知識や経験がないため、ワンステップマーケティングだけでツーステップマーケティングを知らないというケースもあります。事業立ち上げの際に相談した相手が、ワンステップマーケティングを推奨したためという理由もあるようです。しかし、ワンステップマーケティングは一過性に頼った方法に過ぎず、永く生き残るためにはツーステップマーケティングでなければ難しいと思います。ストーリーが無く、マーケティング先行を重視しているためではないでしょうか。当社でも、永く続けていただくためにも、ワンステップマーケティングとツーステップマーケティングの違いを説明しています。実際消費者もまずは試したいという気持ちから、ツーステップマーケティングを望んでいることは多いと思います。

加藤 消費者はツーステップマーケティングを望み、販売者側がワンステップマーケティングを望んでいるというのが実情です。また、最近の記事広告に関しては警鐘を鳴らしています。勝手に芸能人の写真やテレビ番組の切り抜きを使うなどし、ランニングページ(LP)に誘導するという手法ですが、内容がひどすぎます。何とかして1回目の購入を促したいという魂胆が見え見えです。販売者側もアフィリエイターが勝手にやったこととして、見て見ぬふりをしています。しかし、結果的に騙されるのは消費者ですからここは取り締まるべきだと思います。ここを野放しにしていることが業界を悪くしていると言っても過言ではありません。ここに規制が入れば、ワンステップマーケティングは衰退していくと思います。

松清 最初から正攻法で行く事業者、最初は少しグレーなやり方で正攻法に切り替える事業者、グレーなまま突っ走る事業者といると思います。この傾向はなくならないのでしょうか。

北川 独立系でECから参入してくる事業者の場合、手段を選ばずという傾向が多い気がします。そういう事業者は、顧客目線ではなくテクニック重視でモノを売ることだけに視点を向けているようです。マーケティングを提案する事業者側にも問題があり、グレーな方法を提案している事業者もいるのではないでしょうか。また、常に隠れ蓑を用意し、やれるだけやって次は別の法人で似たような商品、あるいは違う商品を売るという考え方をしている事業者もいまだに存在します。

加藤 商品のこだわりやブランドよりも、マーケティングのテクニックで売るというのがここ5・6年の傾向です。よく言えばマーケティングがうまいということになります。ただ、先ほど私が警鐘を鳴らしているといった記事広告からのLP流入という手法は、おそらく年内に何らかの規制がかかると思います。あくまでも私の予想ですが、この手法自体は良いとしても、そこから先のLPに関してはすべて同一か、その企業配下のドメインにするという方法です。こうすることで、LPの責任の所在がはっきりします。国なのかGoogleを含めた媒体なのかは別として、何らかの規制は入ると思いますし、入らなければますます無法地帯になってしまいます。

<広告出稿額にも変化>

松清 在宅率が上がり、これまでECメインだった広告が、もう一度テレビや新聞などのオフラインに回帰したという意見もあります。これはコロナ特需なのでしょうか、それとも流れが変化してきているのでしょうか。

加藤 運用型広告はあまり変わっていませんが、純広告枠の金額が下がっています。また、クリック率も上がっています。大手企業の出稿が抑えられ、空きが出た分値下がりが起き、さらに値切り交渉がやりやすくなっています。金融系や不動産系の広告出稿がないため、通販企業の出稿が増えています。そのため、広告主になりえる通販会社が媒体社に対して強気に交渉できる状況です。

(写真:山本皓一朗氏)

(つづく)

【藤田 勇一】

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