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アピ、ニーズの多様化に応える
製品開発サービスを強化 「個別化型API’s CF」活用

 健康・美容をめぐり多様化、細分化が進む消費者ニーズ。それに拍車をかけるのは、情報が拡散しやすいSNS(インターネット交流サイト)の普及だ。社会のデジタル化が加速度的に進む中で、その流れにあらがうのは難しい。だからサプリメント・健康食品のマーケティングにも、足もとの消費者ニーズに合わせた多様化、細分化が求められることになる。そうした課題に製品開発の側面から切り込もうとしているのが、サプリメント・健康食品受託製造で国内最大手のアピ(岐阜県岐阜市、野々垣孝彦社長)。2020年にスタートさせた顧客向け製品開発サービス「API’s CF」を課題解決ツールとして活用する。

ニッチな機能・訴求 オーダーメイドで対応

 CFはコンセプト・フォーミュレーション(Concept Formulation)の略。フォーミュレーションは、日本語で処方設計、製剤設計などと訳される。API’s CFについて同社は次のように説明する。

 「健康に関する悩みやコンセプト別に、学術論文などのエビデンスをベースに作用機序を分かりやすく見える化・体系化し、各作用点に対応する素材・成分をお客様のご要望に合わせて選定し、『最適な処方・製品設計』をお客様と共に一緒に創り上げて、独自性の高い製品開発を実現する為のサービス」

 要は、科学的根拠(文献)や消費者・市場調査データなどをバックグラウンドに置きつつ、消費者ニーズや顧客のコンセプトに合わせた、配合成分・素材の選定から製剤設計までの製品開発(新商品の開発、既存商品のリニューアル)をフルパッケージで顧客に提供するというもの。サービス提供にあたっては、同社の研究所に所属する数十人の研究員が対応にあたる。

出口を具体的に「見える化」

 サービスの基盤となるのは、例えば「免疫」や「睡眠」、「ダイエット」、「美容」、「オートファージー」など、機能性領域ごとに同社研究員らが取りまとめた、製品開発にかかわる提案資料だ。

 専門的な知識がないと理解しづらい成分・素材の作用メカニズムや、消費者ニーズ等の市場調査データなどを分かりやすく伝達できるよう、図解を豊富に活用したビジュアル重視の資料。各領域に対応する素材・成分のエビデンスレベル(有意差の有無など)、原材料コスト等も一覧化することで、口頭での説明や学術資料などだけでは顧客に伝わりにくい情報を「見える化」した。

 一方、それら資料は、あくまでもAPI’s CFの「ベース」。顧客の要望に合わせながら細かくカスタマイズするのが基本となる。また、現時点でベースのないニッチな機能性領域や消費者ニーズでも、「フルオーダーメイドでAPI’s CFを設計することもできる」(同社・新規戦略開発部担当者)。

 従来、ベース資料を基盤にした提案を行うことが多かったという。しかし最近は、顧客が持ち込むコンセプトなどに合わせ、個別にCFを設計する「フルオーダーメイド型API’s CF」の提案を強化している。多様化、細分化が進む消費者ニーズに合わせた製品開発にも対応できるようにする狙いだ。

多様な美容ニーズ 応える鍵は細分化

 具体例を見てみよう。例えば美容(肌)領域。もともとベースとなるコンセプト資料が存在していた領域だが、一口に美容といっても、消費者ニーズは多岐にわたる。そこで同社は最近、加齢などによって肌(主に顔)に現れる変化をおよそ30ピックアップ。その上で、肌の弾力性にかかわる目元や目尻の「シワ・たるみ・ほうれい線」、明るさにかかわる「シミ・褐色斑」、血流などが関係する「(目もとの)クマ」の3領域に特化、細分化したAPI’s CFを新たに設計した。複数の領域を組み合わせることで、複数の消費者ニーズに対応する製品設計につなげることもできる。

 この細分化した「美容CF」は、今月12~15日まで東京ビッグサイトで開催される「美容・健康食品EXPO」(インナービューティEXPO)に出展し、市場で差別化できる美容サプリメント・健康食品を求める来場者(業界関係者)にアピールしつつ、フルオーダーメイド型API’s CFの一例として紹介する予定だ。

さまざまな部位に「対応可能」

 多様化、細分化された消費者ニーズに応えるには、時に、ニッチな機能性の領域や訴求に対応した製品開発が求められる。しかし、ニッチゆえ、参考となる製品が限定的であることから、具体的な出口(製品設計)をイメージしづらい。その機能性に対応できる成分・素材は何か、そのエビデンスや作用メカニズムはどうなっているのか、それに最適な剤型はどれか──。そういった製品開発に必須となる要素をイメージしづらいこと、そもそも情報の少ないことが課題になる。

 顧客が抱えるそんな課題を解消しようという試みがフルオーダーメイド型API’s CF。同社では、「肌に限らず、様ざまな部位に応用可能。どんなにニッチでも、どのような要望でも形にすることができる」(同)としている。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:API’s CFのロゴマークとラインナップの一例)

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