男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮
粘度の高い皮脂成分が多いことを発見
大正製薬㈱(東京都豊島区、上原茂社長)はこのほど、男性型脱毛症であるAGA患者の頭皮に、皮脂成分のトリグリセリド、細菌のアクネ菌、真菌のマラセチア属菌が多く存在することを発見したと発表した。
同研究は、明治薬科大学薬学部の杉田隆教授と共同で、薄毛と頭皮環境(皮脂、常在菌)の関係性について行われた。研究成果は、学術誌Microorganismsに掲載され、2021年12月11日に、順天堂大学本郷・御茶の水キャンパスで開催された第29回毛髪科学研究会のモーニングセミナーで杉田教授より、その内容が発表された。
遺伝性以外の要因として頭皮環境との関係性に着目し、AGA群(55人)と非AGA群(63人)の日本人男性118人の頭皮の皮脂、細菌、真菌を分析した。その結果、皮脂では、皮脂中のトリグリセリドの占める割合が、AGA群において非AGA群よりも高いことが分かった。
また、細菌では、アクネ菌(Cutibacterium)、真菌ではマラセチア属菌(Malassezia_restricta)の割合が、AGA群において非AGA群より高いことも明らかになった。これらの結果から、皮脂中のトリグリセリド、常在菌であるアクネ菌やマラセチア属菌が、AGAの原因や進行に影響している可能性が示唆されたとしている。
同社では、今後も発毛・育毛、白髪、髪質など、頭皮・毛髪に関わるトータルでのヘアケア研究を進め、ミノキシジル含有製品だけでなく、育毛剤やシャンプーなどの製品を開発し、生活者のより豊かな暮らしの実現に貢献するとしている。