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【特集】改正特商法~悪質なアフィリエイトの排除へ(後)

<1カ月に300社の不正広告を発見>

――年間にどれくらいの広告が検索に引っかかるのでしょうか?

笠井 引っかかってくるだけですと万単位ですが、それが法律に反してるかどうか、薬機法以外でも、著作権法であったり、ほかの法律に反していると断定するのがなかなか難しいところがあります。ただし、そのなかでもおかしいというものをピックアップして、多いときだと1カ月あたり300社ほどの不正広告を見つけたことがありますね。

――そういう場合、該当した事業者に対してそれぞれ警告を行うのですか。

笠井 2019年ごろまでは、メールやお手紙、電話でお伝えしていましたが、今は集まった情報を定期的に消費者庁や警察庁などの関係機関に情報提供し、取り締まりを依頼しています。

――今のアフィリエイト広告業界に対する印象は?

笠井 アフィリエイト業界は非常に成長が続いている業界です。当然、今回のアフィリエイト広告検討会で議題に挙がっているような偽の体験談問題や、健康食品などの定期購入につながるような虚偽誇大な広告という問題もありますが、一方で、例えばパソコンだったり、ファッションだったり、グルメだったり、オンライン教育だったり、さまざまなジャンルがアフィリエイト広告を活用して下さっていますので、トータルで見ると、矢野経済研究所さんも発表されている通り、年率10%ずつ伸びていますし、我々協議会の正会員も売り上げを高めているASPであったり広告主が多いですね。
何より、先ほどお伝えしたように、これからアフィリエイトを始めたい初心者向けの教育啓発講座への申し込みの数は3、4年前に比べると1.5倍ぐらいに増えている印象です。

――それは有料ですか。

笠井 無料です。当協議会は完全非営利型の一般社団法人として定款を作って設立していますので、運営資金は年会費だけです。

<悪質なアフィリエイトは一握り>

――業界の課題は?

笠井 検討会にも反映されているところですが、大部分のアフィリエイターや広告主は真っ当に活動していますが、一部の悪質な事業者が、それこそ高く予算をかけて大量に違法な広告をアフィリエイトの仕組みを使って売っていたり、個人のアフィリエイターに見せかけておいて、実はある程度規模感のある事業者が裏で糸を引いて悪質なページを大量に作り、それで消費者を誤認させるような表示を行っているという部分が、アフィリエイトのなかでは昔からありました。この点について、我々業界団体として、もっと進んで対応していかなければいけない課題だなと感じています。

――具体的な対策は?

笠井 外部からの相談情報提供、アドバイスを無償で対応させていただいています。協議会に来る相談で一番多いのがそういう変な広告を見たっていうものなのですが、2番目に多いのが、怪しい情報商材が売られているオンラインサロンの相談です。アフィリエイトで楽して簡単に儲かると聞いてお金を払ったけれども、全然儲からないという相談が今、副業ブームとか在宅中心の生活になったことで増えています。そういう人がだまされにくい社会を作っていくために、業界団体としてもっと活動しなければいけないと考えています。

――オンラインサロンについては7月、国民生活センターでも注意喚起を行っています。

笠井 はい。一昔前と比べて、ブログなどに派手な勧誘記事が置いてあるのと違い、閉鎖空間で勧誘されてしまっているため、ラインとかフェイスブック、インスタグラムのDMで個別に勧誘され、最初はもう無料でみたいなところから始まり、気が付くと数千、数万、数十万円だまし取られて蟻地獄にはまってしまっている人が多い。我々としては、消費者団体だったり、警察関係だったり、あとは消費者向けのメディアにもご協力いただきながら注意喚起を行っています。また、悪質な事業者がどういう手口で違反行為を教えているかというところを、消費者、事業者側とその都度、情報共有しながら予防策を立てています。

<子どもたちに胸張れる業界に>

――今後の展望は?

笠井 今回の検討会、我々にとってありがたかったのは、どの委員からも「アフィリエイトを規制すべきだ」みたいな強硬な発言がなかったことです。始まる前は、委員の皆さんからも法規制をガンガンかけるべきだみたいな意見が出るんじゃないかと不安だったのですが、各委員の方々のご発言、また消費者庁も、アフィリエイトという仕組み自体は素晴らしいので、この新しい仕組みを伸ばしていきたいと。
ただそのなかで、モラルのない事業者、悪質な行為をやっている人たちをいかに排除していくか、消費者にいかに教育していくかという点が議題として取り上げられています。ここは我々としては非常にありがたい視点ですし、業界団体としての検討会の議題でもあります。法律を守った活動というのをアフィリエイト関係者にしてもらえるように業界団体としていかに活動していくか、それから消費者の人に分かりやすく、また誤認させないような情報発信をどうしていくかというところが我々の喫緊の課題かなと考えています。

――笠井代表の熱い語り口はどこからくるのでしょうか?

笠井 そうですか。私がアフィリエイトで不正対策などを始めたのが協議会を立ち上げるもっと前、私自身は1999年からアフィリエイトをやっており、20年以上アフィリエイトの世界に関わっていますが、やっぱりアフィリエイトのイメージがよくないのです。
私には子供が3人おりまして、その子供たちが「お父さんアフィリエイトの仕事をやってるよ」と胸を張って話してもらえるような業界にしたいと、ずっと心の中に持っています。協議会としても、私自身の会社の活動としても、少なくとも子供たちがちゃんと胸張って説明してもらえるような取り組みをしようと。協議会という団体もそういった団体であってほしいというふうに考えています。

――ありがとうございました。

(了)

【聞き手・文:田代 宏】

関連記事:悪質なアフィリエイトの排除へ(前)

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