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9・14機能性表示食品届出セミナー テーマ「日経クロステックの記事を検証する~業界はどう答えるのか?」

 ㈱ウェルネスニュースグループ(東京都港区)は14日、機能性表示食品の届出に関するセミナーをオンラインで開催する。

日経、研究レビューの質の低さ批判

「機能性表示食品の研究は貴重なリソースの無駄遣い」、技術系デジタルメディア『日経クロステック』が8月、連載①揺らぐ機能性表示食品への信頼、薄い科学的根拠で「論文採択率9割」(機能性表示食品制度の瑕疵(かし))、②森永乳業・カゴメ・キユーピー・雪印メグの機能性論文を調査、飲水に等しい科学的根拠も(同)、③4%の成分量で製品発売か、機能性の研究レビューもずさんの恐れ(同)、④機能性表示食品の「研究」は貴重なリソースの無駄遣い(記者の目)――というタイトルで、4回にわたって機能性表示食品制度における研究レビューのあり方について、その質の低さを厳しく批判した。

 同誌の土屋丈太記者は、「有効性を検証する研究の質は年々悪化」、「粗悪な論文を量産」、「食品メーカーと学術誌が癒着している」とし、今後、「サイエンスの見直しを行うべき」と、論文の質・多重検定・解析除外者・研究レビューの質などを問題視。事業者が自己責任で届出を行うことによるルールからの逸脱、届出の根拠論文が特定のジャーナルに偏り過ぎていることから起きる採択基準の緩さ――などを指摘している。

機能性表示食品制度が抱える今日的課題

 肯定的な論文1報があれば届出ができるという簡便な制度が功を奏して、機能性表示食品は5,000品目を超える届出が行われている。肯定的な論文とは統計的な有意差があることだが、高額の費用をかけて臨床試験を行い、有意差が得られなければ企業は大変な損失を被る。
 「どのような手段をとっても有意差を出したい」という企業固有の事情が、科学の不正につながる。それがこの制度に対する批判になれば、制度の存続の危機につながる。研究レビューはこのままでいいのか?事業者や業界は日経クロステックの疑義にどう答えればよいのか? 

医薬品と健康食品はステージが異なる?

 多くの事業者からは、そもそも食品と医薬品ではステージが違うという言い訳が聞こえてくる。「医薬品ではないので単一の成分による関与ではない」、「被験者は医薬品の病者とは違い、健常者あるいは軽症者で行わなければならない」など、ほとんどが医薬品と健康食品とを並列に比べ、諦めの言葉を用いて直面する課題から逃げようとしている。しかし、それでいいのだろうか? セミナーでは、届出ガイドラインや届出資料の現状について検証した上、対症療法的な解決法の他、医薬品の評価法を健康食品の評価に流用することの問題点を検討するなど、今後の機能性表示食品制度の課題と展望について、専門家2人が分かりやすく解説する。

唐木英明氏と竹田竜嗣氏を講師に招へい 

 講師として迎えるのは、機能性表示食品の原型となった消費者庁の委託事業「食品の機能性評価モデル事業」(2012年報告書)で評価パネル委員を務め、その後も機能性表示食品制度に深く関わってきた東京大学名誉教授で「食の信頼向上をめざす会」代表の唐木英明氏と、WNG会員メルマガで機能性表示食品届出に役立つ「エビデンスの基礎知識」を連載中の関西福祉科学大学講師・竹田竜嗣氏。「日経クロステックの記事を検証する~業界はどう答えるのか?」というテーマでセミナーを開催する。
 突きつけられた批判に対して業界、企業はどう対応すべきなのか、お二人の見解と提言を元に考える。

 セミナーでは、質疑応答、ディスカッションの時間も設けている。事前にご質問のご準備がある方は、メールで受け付ける。

<開催概要>
日 時:9月14日(水)午後4時~6時30分(3時50分から接続開始)
開催方式:Zoomによるオンライン
定 員:先着100人
参加費:一般7,000円、会員5,000円(税込)
講 師:東京大学名誉教授 食の信頼向上をめざす会 代表 唐木 英明 氏
     演題「機能性表示食品の届出資料の科学的検証」
   :関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科 竹田 竜嗣 氏
     演題「食品の臨床試験の実施・論文のあり方~誤解や批判を生まないために」
   :ウェルネスニュースグループの記者による取材報告「機能性表示食品制度の盲点」

※ご案内当初、WNG会員限定とさせていただいておりましたが、「ぜひ聴講したい」との一般の方からの反響が大きく、この問題は業界全体で考えていくべきものとの編集部の思いから、一般の皆様にも有料で公開することといたしました。ご案内当初、ご参加をお断りした皆様には大変失礼いたしました。何卒、ご了承くださいませ。
 
お申込はこちらから 

※お申し込みフォームは「一般」と「会員」に分かれています。お間違いのないようにお申し込みください。
※一般か会員かは「ウェルネスデイリーニュース」の 会員企業でお確かめください。

問い合わせ先:TEL03-6205-8181 E-mail:info@wellness-news.co.jp
 
<講師プロフィール>
唐木 英明 氏
東京大学名誉教授 食の信頼向上をめざす会 代表。
1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを歴任。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。専門は薬理学、毒性学、食品安全、リスクコミュニケーション。
2022年3月17日、(公財)食の安全・安心財団理事長退任。

竹田 竜嗣 氏
関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科 講師
2000年近畿大学農学部農芸化学科卒。2005年近畿大学大学院農学研究科応用生命化学専攻、博士後期課程満期退学。2005年博士(農学)取得。近畿大学農学部研究員、化粧品評価会社勤務、食品CRO勤務を経て、2016年から関西福祉科学大学健康福祉学部福祉栄養学科講師。専門は、食品科学、臨床試験などの生物統計学。大学院在籍時より、食品・医薬品の臨床研究に携わり、機能性表示食品制度発足時より、研究レビューの作成業務およびヒト試験のデザインなど多くの食品機能性研究に関わる。

(冒頭の写真:唐木英明氏(右)と竹田竜嗣氏)

関連記事:「日経クロステック}機能性表示食品制度に警鐘鳴らす
    :機能性表示食品、SRは大丈夫?(前)
    :機能性表示食品、SRは大丈夫?(後)

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