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海外市場、トレンドより変化を GNG武田氏、アジア3市場を視察

 ㈱グローバルニュートリショングループ(GNG、東京都豊島区)の武田猛社長は、台湾、韓国、タイで開催された展示会の視察を踏まえ、健康食品の海外市場を見る際には、世界共通のトレンドを追うだけではなく、国や地域によって生じる市場の違いと、その背景を捉えることが重要との見方を示した。

 武田氏は今年、7月の「BIO Asia–Taiwan」、8月の「Hi Korea」、9月の「Vitafoods Asia」を相次いで視察した。海外の展示会では、Longevity(ロンジェビティ)、Women’s Health、Gut Health、Beauty-from-Withinなど、世界に共通するキーワードが見られるという。

 ただ、同じキーワードが使われていても、商品やサービスとして市場に現れる姿は国・地域によって大きく異なると指摘。「グローバルトレンドなど存在しない」との考えを示しつつ、世界共通の大きな潮流を否定するものではなく、その潮流が各市場でどのように変化して現れるのかを見る必要があるとした。

展示会、店頭、現地の声を重ねる

 海外市場の把握には、展示会だけでなく、現地のスーパーマーケットやドラッグストア、専門店などの店頭を確認することが重要という。

 展示会に並ぶのは基本的に企業が「これから市場に提案したいもの」であり、多くの企業が同じテーマを掲げていても、すでに消費者市場で大きなトレンドになっているとは限らない。このため、展示会で見たテーマが実際に商品化されているのか、どの程度の価格で販売され、どのような言葉で消費者に訴求されているのかを店頭で確認している。

 さらに、現地のパートナーや業界関係者から話を聞き、商品が増えている理由や消費者の反応、企業が見いだしているビジネス機会などを把握。「展示会、店頭、現地の声」を重ねることで、市場を立体的に見ることができるとしている。

韓国から台湾、オーバーキャップに変化

 継続的な市場観察から捉えた変化として、武田氏は「Overcap(オーバーキャップ)」を挙げた。ドリンク容器のキャップ部分にカプセルや錠剤を収納する形状で、2024年に韓国の店頭を視察した際に注目したという。

 今年のBIO Asia–Taiwanでは同様の形状の製品が目立った。武田氏は同展示会を3年連続で視察しているが、これほど目についたのは今年が初めてだったとしている。

 韓国から台湾へトレンドが広がったと断定することはできないとしながらも、24年に韓国の店頭で見たものが26年には台湾のB2B展示会でも目につくようになった変化は、複数市場を継続的に観察することで捉えられたと説明する。

韓国、リポソームやOEMで存在感

 Hi Koreaでは、OEM企業が開発力や提案力を強く打ち出していた。リポソーム技術を活用した商品も多く、ビタミンCだけでなく、コラーゲン、NMN、クルクミンなどに広がっていたという。

 現地の出展者からは、新たな機能性素材の開発や臨床試験には時間と費用がかかるため、既存成分とリポソームなどの技術を組み合わせて差別化する方が商品開発を早められるとの説明があった。他方、十分な技術的裏付けを伴わない「リポソームもどき」が増えているとの指摘もあり、吸収性を変える技術については安全性評価という課題もあるとした。

 Vitafoods Asiaでは、中国企業の出展が圧倒的に多い中で、韓国企業の存在感が目立ったという。原料だけでなく最終製品の提案も多く、OEM・ODM企業では「CDMO Services」との表現も目についた。

 武田氏は、韓国企業が目立つ背景について、新しい技術や剤形、処方、商品コンセプトまで含めた「新しい提案」を行っているためではないかと分析。OEM・ODM企業の役割についても、受託製造から、差別化できる商品そのものを提案する方向へ広がっているとの見方を示した。

品質保証の「見える化」に差

 海外企業の品質保証の示し方にも注目する。Vitafoods AsiaではGMPやHACCPなどの認証マークを前面に掲げる企業が多く、NSF InternationalのGMP認証については、国際的なB2B取引の「共通言語」のように見えたという。韓国企業も、同国政府の制度に基づくGMPマークを積極的に掲げていた。

 これに対し、日本企業のブースでは品質保証の「見える化」が相対的に弱い印象を受けたとする。日本企業の品質が低いという意味ではなく、高い品質を持つことと、その品質を海外企業が理解できる形で伝えることは別の問題と指摘。「日本品質」という言葉だけで海外の取引先にどこまで伝わるのか、検討する必要があるとした。

各国の制度が市場を左右

 海外市場を見る上では、各国の法体系や規制も重要になる。食品と医薬品の区分、使用できる原材料、機能表示、求められる科学的根拠、安全性や品質を担保する仕組みなどは国によって異なる。

 文化や食生活、流通、価格、消費者意識も市場を左右することから、世界共通の潮流があっても、各国で同じ商品、表示、販売方法になるとは限らない。武田氏は、グローバルな潮流はそれぞれの市場で「翻訳」されていると捉える方が実態に近いとしている。

 海外で見た商品をそのまま日本市場に持ち込むのではなく、「なぜ既存成分に新技術を組み合わせる企業が増えているのか」、「なぜ剤形が差別化の手段になるのか」、「なぜ海外企業は認証マークを前面に出すのか」など、その背景にある市場の変化を読み取ることが重要と強調した。

 海外で起きている変化の構造を捉え、日本の市場環境や制度、自社の技術、顧客、事業に合わせて「翻訳」することが、海外市場を見る本当の価値との考えを示している。

【編集部】

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