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大幸薬品が決算説明会、海外で好調 正露丸の供給正常化へ、生産2割超増

 大幸薬品㈱(大阪府吹田市、柴田高社長)は17日、2026年12月期第2四半期(中間期)の決算説明会を開催した。売上高は海外向け医薬品販売の伸長により、前年同期比9.3%増の26億3,600万円となった。
営業利益は同2,900万円減の1,700万円、経常利益は同2,100万円増の4,100万円だった。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期に計上した投資有価証券売却益の反動などから、同2億3,500万円減の4,400万円となった。

 売上総利益は13億3,900万円、売上総利益率は50.8%。販売費および一般管理費は、海外市場での販売拡大に向けたマーケティング施策や人件費の増加などにより、同4,700万円増の13億2,100万円となった。

 営業利益では、医薬品事業の増収が9,100万円、単価改定が3,600万円、為替が7,600万円の増益要因となった。感染管理事業の減収が4,800万円、原価増が1億3,400万円、販管費の増加が4,700万円の減益要因となった。上期には一時的な歩留まりの低下もあったという。

海外医薬品、6億3千万円増

 医薬品事業の売上高は同3億1,600万円増の25億2,300万円となった。セグメント利益は、海外市場向けマーケティング費用の増加などから同4,400万円減の5億5,700万円だった。

 国内医薬品事業の売上高は同2億8,700万円減の14億1,000万円。正露丸の供給不足に加え、競合他社製品の供給再開やインバウンド需要の減少が響いた。

 これに対して海外医薬品事業は好調に推移し、売上高は同6億3,000万円増の11億1,200万円となった。中国が5億7,000万円、香港が4億4,600万円、台湾が1億4,000万円となり、主要3市場はいずれも前年同期を上回った。

 海外では6月から原価高騰などを踏まえて一部製品を値上げした。下期には販売拠点の拡大とともにプロモーション投資を強化する。海外医薬品事業の広告宣伝費は、前期の3億7,000万円から今期は6億円を超える規模まで引き上げる計画だ。

正露丸、生産数量2割超増へ

 国内では正露丸の供給体制の立て直しを急ぐ。26年1~6月の国内止瀉薬市場は前年同期比94.9%に縮小した。大幸薬品のシェアは4~6月に44.4%となり、1~3月の44.0%から0.4ポイント上昇した。会社側はシェア低下がおおむね底を打ったとみている。

 同社は25年度から正露丸の生産増強プロジェクトを進めており、上期に設備更新や製丸機の稼働台数引き上げなどを実施した。年間の生産数量は前年比20%超の増加を計画する。

 製品別では、「正露丸」200粒を下期以降、400粒を来春に出荷再開する予定。「セイロガン糖衣A」48錠PTPも一部仕様を変更した上で供給を再開する。会社側は、下期以降に正露丸シリーズの供給ラインアップがおおむね正常化するとの見通しを示した。

 供給回復に合わせ、若年層へのブランド訴求も強化する。7月17日からアニメーション動画「We are Rappers!」を起点とするプロモーションを開始。20~30代との接点を拡大し、「ラッパのマーク」ブランドの顧客基盤拡大を図る。

通期売上高72億円を据え置き

 感染管理事業の売上高は同9,200万円減の1億1,100万円。広告宣伝費の削減などにより、セグメント損失は前年同期から5,900万円改善し9,200万円となった。

 同社はBtoB領域を収益基盤と位置付け、製造業や葬儀業界で新規開拓を進める。通期売上高予想5億円に対し、下期に必要となる売上高は3億8,900万円。前年同期実績は4億1,600万円で、会社側は達成可能との認識を示した。

 26年12月期の通期業績予想は据え置いた。売上高72億円(前期比12.5%増)、営業利益5億円(同8.9%増)、経常利益5億2,000万円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億5,000万円(同40.4%減)を見込む。下期だけで売上高45億6,400万円、営業利益4億8,300万円を計画している。

新製品などで「4億円程度」見込む

 説明会の質疑では、上期の利益進捗が低いなかで通期予想を据え置いた理由について質問が出た。会社側は、医薬品事業は夏場、感染管理事業は秋冬の感染症流行期に需要が高まるため、もともと下期偏重の傾向があると説明。正露丸の供給量増加や国内外への出荷拡大、海外向け価格改定の効果などを踏まえ、「通期業績予想の達成は十分可能」とした。

 中国向け新製品と国内向け「正露丸」200粒の出荷再開による業績への影響について、柴田社長は「これら2つを合わせて、現時点では4億円程度、売上が伸びる」との見通しを明らかにした。

 原料・資材価格の上昇や中東情勢による調達リスクについては、今期分の供給についておおむねめどが立っており、コスト増の影響も限定的で吸収可能と説明した。海外向けでは一部製品を値上げしたものの、国内向けについては現時点で値上げを想定していないとした。

 また、正露丸以外の新製品について柴田社長は、「ラッパのマーク」のブランド展開の一環として、来年に香港市場でテスト販売する予定を明らかにした。具体的な製品については説明を控えたが、テスト販売で一定の見通しが立てば、日本や海外での展開を進める考えを示した。

【田代 宏】

発表資料はこちら(大幸薬品HPより)

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