高齢化と児童世帯減、生活苦55%超 国民生活基礎調査で実態明らかに
厚生労働省は15日、2025年(令和7年)国民生活基礎調査の概況を公表した。高齢者世帯が全世帯の3割を超え、児童のいる世帯は2年前の18.3%から16.7%へ低下し、少子高齢化の進行を改めて示す結果となった。
また、生活が「苦しい」と感じる世帯は55.4%に上り、健康や介護、こころの状態など国民生活の実態も明らかになった。
高齢者がいる世帯、全体の50.2%
2025年の総世帯数は5,505万8,000世帯だった。
このうち、65歳以上の者がいる世帯は2,761万4,000世帯となり、全世帯の50.2%を占めた。高齢者のいる世帯が半数を超え、日本の世帯構成における高齢化が一段と進んだことがうかがえる。
高齢者世帯は1,754万6,000世帯で全世帯の31.9%を占めた。一方、児童のいる世帯は917万4,000世帯(16.7%)、母子世帯は54万3,000世帯(1.0%)だった。
平均世帯人員は全世帯で2.17人、高齢者世帯では1.48人、児童のいる世帯では3.81人となった。
所得水準と生活実感に隔たり
各種世帯別の所得状況を見ると、1世帯当たりの平均所得金額は575万2,000円、平均可処分所得は439万4,000円、所得中央値は451万円だった。
高齢者世帯の平均所得は336万1,000円、中央値は273万円で、高齢者世帯以外は平均700万7,000円、中央値600万円となった。児童のいる世帯は平均857万3,000円、中央値766万円、母子世帯は平均345万3,000円、中央値299万円だった。
生活意識では、「大変苦しい」が23.2%、「やや苦しい」が32.2%となり、両者を合わせると55.4%を占めた。「普通」は38.5%、「ややゆとりがある」は5.2%、「大変ゆとりがある」は0.9%だった。
高血圧症が最多、通院者は4,896万人
通院者数は4,896万1,000人で、人口1,000人当たりの通院者率は409.2人だった。
傷病別では、高血圧症が1,711万2,000人と最も多く、次いで脂質異常症(884万4,000人)、眼の病気(709万2,000人)、糖尿病(667万人)、歯の病気(657万人)、腰痛症(552万7,000人)、うつ病やその他のこころの病気(281万1,000人)、アレルギー性鼻炎(271万9,000人)、骨粗しょう症(265万5,000人)などが続いた。
有訴者率では、「腰痛」が人口1,000人当たり93.6で最も高く、「肩こり」69.4、「手足の関節が痛む」51.7、「鼻がつまる・鼻汁が出る」38.5などとなった。
20歳以上の約1割がK6で10点以上
こころの状態についてK6尺度で評価した結果、20歳以上では10点以上が10.3%となった。0~4点が72.6%と最も多く、5~9点は17.1%、10~14点は7.2%、15点以上は3.1%だった。年齢階級別では80歳以上で0~4点の割合が63.6%と最も低く、15点以上は30歳代が6.0%と他の年代より高かった。
がん検診は前回より増加
また、がん検診の受診率は前回調査(2022年)から男女とも改善した。男性では過去1年間の肺がん検診受診率が55.2%(前回53.2%)、大腸がん検診が50.9%(同49.1%)、胃がん検診が48.8%(同47.5%)となった。女性では過去2年間の乳がん検診受診率が51.0%(同47.4%)と5割を超えたほか、子宮がん検診46.1%(同43.6%)、過去1年間の肺がん検診49.5%(同46.4%)、大腸がん検診46.2%(同42.8%)、胃がん検診38.3%(同36.5%)と、いずれも前回を上回った。
受診者数は、過去1年間で胃がん検診3,033万8,000人、肺がん検診3,886万3,000人、大腸がん検診3,454万2,000人、女性では過去2年間の子宮がん検診1,675万1,000人、乳がん検診1,650万6,000人だった。
要介護の主因は認知症
現在の要介護度別に介護が必要となった主な原因では、「認知症」が16.7%で最も高く、次いで「高齢による衰弱」15.6%、「骨折・転倒」14.6%、「脳血管疾患(脳卒中)」12.5%、「関節疾患」9.1%、「心疾患(心筋梗塞)」4.8%、「悪性新生物(がん)」と「パーキンソン病」がともに3.0%、「糖尿病」2.9%などとなった。
要介護5では「脳血管疾患」が27.6%で最も高く、「認知症」が23.8%だった。なお、要介護1では「認知症」が24.2%、「高齢による衰弱」が18.8%、「骨折・転倒」が14.5%となった。
【田代 宏】
発表資料はこちら(厚労省HPより)

