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消費者庁と協議の上一新「素材情報DB」 原著論文・症例報告・会議録参考~情報の透明性と実用性を追求

 今月2日、突然、装い新たに復活を果たした(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBN)「国立健康・栄養研究所」の素材情報データベースだが、ウェルネスデイリーニュース編集部では復活の経緯などについて6日を回答期限に質問を行っていた。

再開は「ない」から一転、突然の復活

 同研究所は2024年3月時点では同データベースの再開は「ない」としていたが、同6月9日、NHKがニュースで取り上げた際には「科学的根拠に基づく正確な情報を発信する必要があり、対応に時間がかかっている」と応じたとし、再開を示唆するかのような回答を行っていた。
 さらに今年2月、「オープンはいつ頃を予定しているのか?再開するのかしないのか、いずれにしてもその理由について」編集部が尋ねたところ、同研究所は、「再開の可否については検討中」との回答を寄越した。

 6日付の回答によると、新装オープンについて同研究所は、「消費者庁と協議をしながら、データベースの情報の整理方法、情報の見やすさや検索のしやすさなど、利用者の利便性も考慮して、データベースの仕様や掲載情報の内容について精査・見直しを行い、新たに有効性、健康被害および相互作用の3つのデータベースで構成することに決定した」と述べている。

「安全性情報」は「健康被害・相互作用」データベースへ移行

 2023年3月に「安全性情報」を掲載停止する前までの素材情報データベース(HFNet)に掲載していた「安全性情報」は、新しいデータベースの「健康被害データベース」と「相互作用データベース」に掲載。
 「健康被害データベース」は、健康食品に用いられている素材や成分を摂取したことによる健康被害に関する、原著論文、症例報告または会議録に記載された事例を根拠として掲載しており、「相互作用データベース」は健康食品に用いられている素材や成分と医薬品を一緒に使用した場合の、原著論文または症例報告に記載された相互作用に関する情報や健康被害の事例を根拠として掲載している。

利用上の条件、制約は? 届出資料に利用できるのか?

 同サイト「ご利用にあたって」には、「機能性表示食品の届出資料における安全性情報としての利用、および商用目的以外での利用をご希望の場合はお問合わせください」とあるが、届出情報として使用は可能なのだろうか?
 編集部では、「問合せした上で貴研究所の方で可否を判断するという理解で宜しいか? また、メディアが媒体に記事として引用する場合において、問合せなどの制約があるのか」聞いてみた。

 同研究所の回答はこうだ。
 「情報をご利用いただくことの可否については、当研究所で判断させていただきます。素材情報データべースを含む「健康食品」の安全性・有効性情報サイト内の情報をご利用いただくにあたっては、同サイトの利用規約(https://hfnet.nibn.go.jp/about-site/Use-site/)をご参考になさってください」

 また、かつてのデータベースを閉鎖する原因を作った(一社)日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic)との連携などについては一切なく、「原著論文、症例報告及び会議録に記載された情報のみを利用している」としている。

 一問一答の内容は以下のとおり(⇒つづきは会員専用記事閲覧ページへ)

【田代 宏】

Q:6月2日にオープンしたとされる「健康食品の安全性・有効性情報」に関するホームページを拝見した。同ページについて、「有効性データベース」および「健康被害データベース」が「安全性情報」という理解で宜しいか?また、「安全性データベース」もしくは「安全性情報」という言葉を使用しなかった理由は?

A:令和5年3月に「安全性情報」を掲載停止する前までのデータベースに掲載していた「安全性情報」は、本年6月2日に公開した素材情報データベースにおいては「健康被害データベース」と「相互作用データベース」に掲載される情報とした。
 「健康被害データベース」は健康食品に用いられている素材や成分を摂取したことによる健康被害に関する、原著論文、症例報告または会議録に記載された事例を掲載するもの。また、「相互作用データベース」は健康食品に用いられている素材や成分と医薬品を一緒に使用した場合の、原著論文または症例報告に記載された相互作用に関する情報や健康被害の事例を掲載するものだ。
 これらについては、消費者庁と協議しながら、データベースの情報の整理方法、情報の見やすさや検索のしやすさなど、利用者の利便性も考慮して、データベースの仕様や掲載情報の内容について精査・見直しを行い、データベースの構成を決定した。

Q:「ご利用にあたって」 について、「機能性表示食品の届出資料における安全性情報としての利用、および商用目的以外での利用をご希望の場合はお問合わせください」とあるが、問い合せした上で貴研究所の方で可否を判断するという理解で宜しいか?
 また、メディアが媒体に記事として引用する場合において、「問合せ」などの制約があるか?

A:情報をご利用いただくことの可否については、当研究所で判断させていただく。素材情報データべースを含む「健康食品」の安全性・有効性情報サイト内の情報をご利用いただくにあたっては、同サイトの利用規約(https://hfnet.nibn.go.jp/about-site/Use-site/)をご参考いただきたい。

Q:今年2月21日付の回答では貴研究所は再開を検討しているとしている。その間3カ月を空けた上での公開となったが、当時も公開の予定で作業を進められていたのか?

A:消費者庁と協議をしながら、データベースの情報の整理方法、情報の見やすさや検索のしやすさなど、利用者の利便性も考慮して、データベースの仕様や掲載情報の内容について精査・見直しを行い、新たに有効性、健康被害及び相互作用の3つのデータベースで構成することに決定した。

Q:公開された情報について、情報ソースはどのようなものか?(一社)日本健康食品・サプリメント情報センターと、何らかの連携を取っているのか?

A:「有効性データベース」、「健康被害データベース」および「相互作用データベース」を作成するにあたっては、原著論文、症例報告及び会議録に記載された情報のみを利用している。おたずねいただいた(一社)日本健康食品・サプリメント情報センターとの連携はない。

Q:今回、突然のオープンとなったが、消費者庁もしくは厚生労働省などの公的機関での告知が予定されているのか。

A:現在、当法人では把握していない。

Q:国立健康・栄養研究所(国立栄研)の名称変更などはあるか? 例えば、新しいホームページのトップには「国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 National Institutes of Biomedical Innovation Health and Nutrition」とある。国立栄研は、今もNIBNの傘下機関という理解で宜しいか?

A:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所は、独立行政法人医薬基盤研究所と独立行政法人国立健康・栄養研究所を統合して、平成27年4月1日に設立されたものであり、現在も変更はない。

【田代 宏】

関連記事:安全性データベースが新装オープン NIBN、素材情報を独自に再構築へ

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