サプリ販売のNOMON、事業終了へ 商品最終発送は来月20日、「突然のお知らせを心よりお詫び」
帝人㈱(東京都千代田区)のヘルスケア事業グループ会社としてサプリメント(ニュートラシューティカル)の販売を行うNOMON㈱(同、山名慶社長)が6月末をもって、すべての事業を終える。事業終了後、会社は解散する見通し。同社が1日までに企業サイトなどで公表した。
同社の公式オンラインショップによると、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)配合サプリメントなど、同社が現在販売しているサプリの注文は6月16日午前10時59分まで受け付ける。最終の商品発送日は同20日。定期購入に関しても、同日の発送をもって販売を終了するという。
「突然のお知らせとなりますことを心よりお詫び申し上げますとともに、これまで賜りました温かいご支援とご愛顧に、改めて深く御礼申し上げます」。NOMONは、事業終了を伝える中で、そのように謝罪と感謝の意を示している。
同社株主の帝人は先月24日、スーパー大麦や乳酸菌などの原材料販売等を手がける機能性食品素材事業からの完全撤退を発表していた。NOMONの突然の事業終了は、その動きと関連。帝人は取材に、「グループ全体としての注力事業を見直す中で決定した」(コーポレートコミュニケーション部)と答えた。NOMONの事業終了をもって、帝人はヘルスケア食品事業から完全撤退することになる。
NOMONは、帝人の100%子会社として2019年に創業。同年5月、NMNを配合したサプリメント『NADaltus(ナダルタス)』をネット通販で発売。以来、NMN配合サプリを主力に事業を展開してきた。
市場調査会社の㈱富士経済(東京都中央区)の調べによると、国内のNMN含有サプリの市場規模は24年で約150億円と伸長しており、ボリュームゾーンは1万円から3万円未満の「中価格帯」という。一方、「完全国内生産」を訴求するNOMONの製品は、30粒入りで、通常価格が税込み6万円を超えていた。
【石川太郎】
(冒頭の画像:事業終了を伝えるNOMONの公式通販サイト)
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