キユーピー、11月期決算発表 営業利益が前年比74.3%増加
キユーピー㈱(東京都渋谷区、髙宮満社長)はこのほど、2024年11月期決算(23年12月1日~24年11月30日)を発表した(連結)。売上高は対前年比6.4%増の4,839億8,500万円、営業利益は同74.3%増の343億2,900万円だった。
同社では海外への資源投下を進め、中国・東南アジア・北米を中心に、KEWPIEブランドの認知拡大を加速させてきた。国内では、引き続き多様化するニーズに対応すると同時に、収益性・生産性の向上にも取り組んだ。また、持続的な成長を実現するため、未来に向けた投資を拡大。売上高は、海外の持続的な成長に加えて、国内の基幹商品を中心とした調味料・惣菜の販売回復、価格改定による単価上昇などにより増収。営業利益は、タマゴ商品の販売増加と主原料高騰影響の緩和、海外での成長に伴う利益拡大などにより増益となった。
セグメント別には、市販用が調味料の価格改定による単価上昇や総菜の販売回復などにより、売上高は同5.3%増の1,773億9,500万円、主原料高騰影響の緩和により、営業利益は同43.6%増の99億3,900万円だった。業務用も増収増益で、調味料、タマゴ商品の付加価値による販売増加で、売上高は同2.9%増の1,653億3,600万円、営業利益は主原料高騰影響の緩和や販売増加により、同189%増の41億3,500万円だった。
海外は、中国・東南アジア。・北米が堅調に推移し、売上高は同17.8%増の782億7,700万円、営業利益は、中国の新型コロナウイルスの感染症影響が前年度から回復したこと、北米のブランド品拡大により、同39.4%増の103億800万円だった。
ファインケミカルは、原料販売の販売増加があったが、通信販売のコスト増加により売上高は同1.9%増の111億7,000万円、営業利益は同45%減の10億4,000万円だった。
同社グループは、食の分野を受け持つ企業グループとして「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって、世界の食と健康に貢献することを目指し、長期ビジョン「キユーピーグループ 2030ビジョン」を掲げている。25年11月期から4年間を対象とする中期経営計画では、「~Change&Challenge~ 成熟市場での経営効率化と成長領域への投資加速」をテーマとし、「国内事業の構造改革」と「グローバル展開の加速」とともに、「食と健康への貢献」、「環境への配慮」、「人的資本の価値拡大」を推進することで、社会価値と経済価値を創出し貢献する。25年11月期も、海外への資源投下を進め、「キユーピー マヨネーズ」発売100周年を契機にブランドプロモーションを展開し、成長を加速させる。国内では、付加価値化や新領域の育成など、価値創造プロセスの進化とともに事業の構造改革に取り組むとしている。