紅麹サプリ、受診者1人増加 腎関連の通院者増、死亡関連428件は変わらず
小林製薬㈱が公表している「紅麹コレステヘルプ等に関する事例数」で、紅麹関連製品を巡る受診者が1人増加していたことが分かった。9月6日時点で3,408人だった受診者計は、13日時点で3,409人となった。増加したのは通院者で、カッコ内で示されている腎関連疾患の人数も1人増えている。
同社の公表資料によると、9月6日時点の入院者は618人、通院者は2,790人で、受診者計は3,408人だった。このうち腎関連疾患は、入院353人、通院1,888人の計2,241人としていた。
13日時点では、入院者は618人で変わらなかったが、通院者が2,791人へ1人増加した。腎関連疾患の通院者も1,888人から1,889人へ増え、受診者計は3,409人、うち腎関連疾患は2,242人となった。20日時点でも、入院618人、通院2,791人、受診者計3,409人で、13日時点から変化していない。
ただ、公表資料からは、9月6日から13日までに増えた通院者1人が、新たに把握された健康被害事案なのか、すでに把握していた事案について通院の事実が新たに確認されたものなのかは分からない。
死亡関連、5月以降2件増
死亡が関連する問い合わせについては、この間、数字に変化はなかった。9月6日時点で「死亡が関連するお問い合わせ数」は428件。このうち「摂取の実態なし」が273件、「摂取実態確認中」が0件、「詳細調査対象」が155件となっている。詳細調査対象155件の内訳は、「調査継続」0件、「調査完了」55件、「その他」100件。13日時点、20日時点でも変化していない。

ただ、ここに至るまで死亡関連統計は段階的に変化してきた。
5月31日時点では、死亡が関連する問い合わせは426件、詳細調査対象153件、調査継続0件だった。
6月21日時点になると、死亡が関連する問い合わせが427件、詳細調査対象が154件へそれぞれ1件増え、調査継続も0件から1件となった。
ウェルネスデイリーニュース編集部は6月30日、詳細調査対象が153件から154件へ増えた理由、「調査継続」1件が新たな死亡関連の問い合わせによるものか、既存事案を整理し直したものなのか、統計上の整理方法や判断基準に変更があったのかなどについて同社に質問した。
同社はこれに対し、「弊社ホームページに掲載している内容以上の回答は差し控えさせていただきます」と回答。詳細調査対象が増えた理由や統計上の整理基準について具体的な説明は行わなかった。
その後も数字は動いた。7月20日時点では、死亡が関連する問い合わせが428件、詳細調査対象が155件となり、「その他」も98件から99件へ増加した。調査継続は1件、調査完了は55件だった。
8月、最後の「調査継続」もゼロに
8月2日時点でも、詳細調査対象155件のうち「調査継続」1件、「調査完了」55件、「その他」99件という構成だった。
ところが8月23日時点では、「調査継続」が1件から0件となり、「その他」が99件から100件へ増加した。「調査完了」は55件のままで、死亡が関連する問い合わせの合計428件にも変化はなかった。
数字だけを見れば、「調査継続」の1件減と「その他」の1件増が同時に生じたことになる。しかし、両者が同一事案であるかどうかは公表資料から確認できない。
編集部がこの変更理由について確認したところ、同社は8月31日付の回答で、「8月23日時点で詳細調査継続中の事例がないとのご理解には相違ございません」と回答した。ただ、「調査継続」が1件減るのと同時に「その他」が1件増えた理由については、プライバシーなどを理由にホームページ掲載内容以上の回答を控えた。
これにより、死亡関連事案について同社が公表する「調査継続」は0件となったが、5月31日時点から比較すると、死亡が関連する問い合わせは426件から428件へ2件、詳細調査対象は153件から155件へ2件増えたことになる。
補償との関係も明らかにならず
死亡関連事案を巡っては、調査だけでなく補償との関係についても明らかになっていない。
8月6日の2026年12月期第2四半期決算説明会で、同社は紅麹関連製品による健康被害について、補償対象者が520人となり、このうち380人への支払いを完了したと説明した。
同日の質疑で編集部が、治療中の健康被害者について補償対象者数などを公表しているのに対し、死亡事案では補償の有無や件数を公表していない理由を尋ねたところ、豊田賀一社長は、治療中の人については「因果関係は一定程度、判断できましたために、加えている」と回答した。
死亡事案については、広報・IR部が「当社製品の摂取によってお亡くなりになったことが明らかな症例は判明しておりません」と説明。質疑では「症例が存在しない」との表現も用いたが、編集部との見解が食い違ったため、「別途、広報の方からご連絡を差し上げて、ご説明をさせていただく」としていた。
8月31日付の回答では、「本回答をもってご説明とさせていただきます」としたものの、「症例が存在しない」との表現は用いず、「現時点で紅麹コレステヘルプ等の摂取によりお亡くなりになったことが明らかな症例は判明しておりません」とする従来の説明を改めて示した。
また、死亡が関連する問い合わせについて実際に補償した事例があるのかについても、プライバシーなどを理由に具体的な回答を控えている。
このような小林製薬の姿勢に対して関係者の1人は、「判断に至る経過について、きちんと説明して欲しい」と述べている。
死亡関連動かず、受診者は増加
こうした経過を踏まえると、今回注目されるのは、死亡関連事案について「調査継続」が0件となり、死亡関連問い合わせ428件、詳細調査対象155件という数字が動かない中で、受診者計が1人増えた点である。
公表資料では、「詳細調査対象」を「確認の手続きの対象となる件数」と説明している。これに対し、「入院」、「通院」、「受診者計」は人数で示され、カッコ内には腎関連疾患のみの人数が記載されている。
今回増えた1人は、通院者全体と腎関連疾患の通院者が同時に1人増えていることから、公表統計上は腎関連疾患の通院者として新たに計上されたことになる。
ただ、この1人が新たに把握された健康被害事案なのか、既存事案の情報更新によるものなのかは分からない。また、死亡関連問い合わせ428件に含まれる人物なのかどうかについても、公表資料から確認することはできない。
死亡関連事案では、5月末以降、問い合わせ数と詳細調査対象がそれぞれ2件増え、その後、調査継続は0件となった。しかし、その増加や分類変更の理由について同社は具体的な説明を行わない。
死亡関連事案の調査が「調査継続0件」となった後も、紅麹関連製品を巡る受診者数には動きが続いている。今回増えた1人がどのような経緯で統計に加わったのか、死亡関連事案との関係を含め、引き続き確認が必要となる。
【田代 宏】

