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第6回WT会合、2団体を聴取
日本司法書士会連合会がLINEの活用、第三者への情報提供を提案

 特定商取引法などにおける契約書面の電子化のための新たなルールづくりを協議する第6回「ワーキングチーム会合」(特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会/WT会合)が15日、消費者庁で開かれた。今回、ヒアリングに応じたのは、(一社)日本リユース業協会と日本司法書士会連合会の2団体。

 日本リユース業協会は、「リユース営業士」検定試験を実施し、合格者にリユース営業士認定証を発行するなど、消費者が安心して利用できるリユース市場の形成に努めているとし、「店頭・訪問買取のしくみ」など、業界内における取引の実態について説明した。

 同団体は業界内の商取引において、「古物営業法に基づく古物営業許可証の交付を受けており、売却希望者の本人確認書類の受領や項目の自筆は必須」としながらも、デジタル社会の急速な発展に備えて、一日も早いデジタル社会のシステム構築を望みたいとした。
 また、古物の買取においては、無作為に電話をかけるなどの営業は行っていないとしながらも、加盟社以外の企業においてはトラブルも発生していると報告した。

 日本司法書士会連合会は昨年6月4日、204国会「参議院地域創生・消費者問題特別委員会」で与野党一致で決議された附帯決議に基づき、書面交付義務の意義に言及。実務家の立場として、書面交付の重要な機能に「確認機能」、「保存機能」、「警告機能」、「告知機能」、「発見機能」の5つがあると述べた。

 これらを実現するための具体案として、「不当に承諾を得る行為の禁止」、「電磁的方法による提供を受ける際に指定する第三者への情報提供」などを提示した。また、第三者への情報提供の方法として「LINE」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用を提案。その理由として、高齢者でも操作が簡単、多人数のグループでの情報共有が可能とした。

 弁護士の池本誠司委員が、書面交付義務の各機能が本来的な役割を果たしていないとの説明について具体的な例示を求めたところ、同連合会は、「法律上の義務とされていないため、クーリングオフの存在とその起算日が伝えられていないのが現状」と説明。特に訴訟に発展した場合、聴き取りの結果、口頭による説明を受けていないケースがほとんどだとし、電磁的方法で提供されることになると一層、その可能性が高まるのではないかと危惧した。真意に基づく承諾の前提条件として、電磁的方法によるものが契約内容について大事な記載がある点、提供した日がクーリングオフの起算日に当たる点などについて、説明義務を課すことが重要とした。
 また、本人が何を承諾したのか、後になって確認できるように、承諾の対象となる契約の内容、電子データの提供がクーリングオフの起算日となることなどを記載することが必要だと付け加えた。
 さらに、契約条項の要素を抜粋したり、クーリングオフ事項そのものを抜粋してメールに記載すると、添付ファイルを読まない恐れがあるため、添付ファイルに誘導するような記載が有効だとした。

 WT会合は次回の第7回が最終回。3月3日(木)に予定されている。

【田代 宏】

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