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機能性表示食品のOEMに新しいかたち オムニカ、コンソーシアム型を推進へ

 サプリメントや健康食品に使用する原材料の製造・販売を手がける㈱オムニカ(静岡県裾野市、高尾久貴社長)は、最終製品の製造も20年以上手がけている。生産拠点の裾野工場は、(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)の認証を受けた健康食品GMP製造施設としても稼働中だ。

 同社はこのほど、改正された機能性表示食品制度に対応したOEM(相手先ブランドによる製品開発・生産)を本格的に開始した。届出情報等の年に1回の点検・報告など、制度改正によって法令化された届出者(機能性表示食品の販売者)の遵守義務事項について、届出者が十分に対応できるよう支援する狙い。契約に基づき、表示責任者として様々な義務を負うことになる届出者を支援する。

法令化された遵守事項、届出者だけで対応できるか

 この新たな取り組みは、今月21日から23日まで都内で開催される展示会「ifia/HFE Japan 2025」への出展を機に、本格的に案内を開始する予定だ。

 機能性表示食品を消費者庁へ届け出て販売するには、単なる商品提供を超えて、原材料から最終製品までの安全性や表示する機能性などの品質をはじめ、科学的根拠に関する情報などを継続的に管理する必要がある。特にサプリメントは過剰摂取等のリスクがあり、改正制度によって、GMP(適正製造規範)に基づく製造・品質管理の遵守が、法的義務として届出者に課されることになった。

 大手企業を中心に、製販一体型の届出者や、製品設計から市販後の品質管理までを自社で担える体制を持つ事業者も存在する。しかし、とりわけサプリについては、多くの届出者が受託製造企業に委託しているのが実情だ。制度改正により、安全性などに関する届出情報の内容の担保や市販後の品質確保といった責任は、法令により届出者が負うことが明確に規定されたが、届出者単独では対応が困難なケースも想定される。

 特に、改正制度に導入された年に1回の法令遵守事項の遵守状況等に関する自己点検・評価、そしてその結果の消費者庁への報告義務は、安全性・機能性の科学的根拠や、生産・製造・品質の管理など多くの事項を点検・評価・報告する必要がある。また、サプリを届け出ている場合には、努力規定にとどまるものの国が定めた基準に基づき機能性関与成分を含む原材料に関する安全性点検も求められている。

 こうした届出者の遵守義務について、オムニカの高尾久貴社長は、「原材料、OEM(最終製品製造)、そして販売会社(届出者)がそれぞれの役割と責任範囲を明確にすることが必要不可欠。そこを曖昧にしてしまうと、販売会社が義務を遵守できず、市販後にトラブルが生じる可能性がある」と指摘する。

契約に基づく役割分担で表示責任者をサポート

 このような背景から同社は、OEM受託製品ごとにすべての関係事業者(営業者)で構成されるコンソーシアムを形成し、製品設計から市販後の品質管理、健康被害情報への対応等までを契約に基づき役割分担し、責任の所在を明確にする。同社はその中核(責任者)を担い、各事業者が契約に基づく役割と責任を遂行することで、表示責任者である届出者が負う法的義務を、健康被害情報の収集・報告などを除き、全面的に支援する。この仕組みを、同社が請け負う機能性表示食品のOEM製品の全てに適用する。

 「単なる製造請負にとどまらず、製品の品質や情報の管理において当社が中心的な役割を果たすことで、表示責任者を支援していく」と高尾社長は話す。

 オムニカはサプリの原材料メーカーとして、機能性表示食品に関しては、ビルベリー由来アントシアニンをはじめルテイン、キウイ由来プロシアニジン、デビルズクロー由来ハルパコシドなどといった機能性関与成分を、原材料GMP認証とISO22000認証を取得した自社工場(静岡県裾野市)で製造している。安全性や機能性の検証など、研究開発も自社で実施している。

 工場には分析センターも併設されており、原材料の製造から最終製品の品質確認まで一貫して対応できる。カプセルや錠剤などの製剤化は、コンソーシアムに参加する外部工場が担うが、充填・包装から出荷まではGMP基準を遵守しつつ、自社で対応する。同社はこれまでも機能性表示食品のサプリのOEM受託を行ってきた。

 「原材料メーカーだからこそできるワンストップOEMを推進したい。昨年の健康被害問題とそれに続く機能性表示食品制度の改正は、製品の設計段階からのリスク評価、それに基づく継続的な品質管理、そして責任体制の整備が業界全体の課題であることを浮き彫りにした。製品の品質や情報に対する責任を販売会社だけに負わせるのは不適切。製造する側も、それぞれの役割に応じた責任を果たす必要がある」と高尾社長は取材に語った。

【石川太郎】

(冒頭および文中の写真:機能性表示食品OEMの拠点となるオムニカ裾野工場内の健康食品GMPハード。同社提供)

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